スポーツ番組志望のADがバラエティー番組のDになるまで
「色々な現場に足を運びたい」「色々な人と仕事がしたい」「現場のリアルな空気に触れたい」
そんな想いでスポーツ番組やスポーツ中継の仕事を志して業界入りした私が、バラエティー番組のディレクターとして働く現在までを簡単に振り返りました。
まずは自己紹介
業界12年目の34歳。ディレクターとしてNTV「スクール革命!」TBS「マツコの知らない世界」の2番組を担当しています。
冒頭でも触れたように元々、スポーツ番組志望で業界入り。
しかし現在はスポーツ番組を制作していないシオンに約8年間在籍しています。
スポーツ番組志望の22歳が配属されたのは・・・
実はシオンは私にとって3社目。最初に入った会社は「報道」「スポーツ」「バラエティー」と様々なジャンルの番組への派遣系制作会社。
「運が良ければ念願のスポーツ番組のADになれる!」と期待を胸に入社したものの、配属されたのはフジテレビアナウンサーたちだけが出演するバラエティー番組。
全く志していたジャンルではなかったが、高島彩アナ、中野美奈子アナ、まだ2年目くらいだったカトパン(加藤綾子アナ)などなど当時超イケイケなフジテレビアナたちと、ロケやスタジオ収録を毎週繰り広げるという内容。激務だったが超絶美女たちとの仕事に「可愛いなぁ」「いい匂いするなぁ」と、そこだけを支えに頑張るミーハーな22歳だったことをよく憶えています。
しかし、心にずっとあったのは「やっぱり好きなスポーツの番組がやりたい!」
こうして1年間続けた後、スポーツ番組を制作している会社に転職をすることに。
念願のスポーツ中継へ!しかし現実は・・
ついに夢だったスポーツの世界へ。
担当したのは私自身、子供の頃から観ていた数年に一度の超大型スポーツ大会。
「実際に色々な場所に取材で行ける!」「色々な選手と会える!」と、期待をしたのだが、
現場に行くのはディレクターのみ!!
そう、AD業務はというと・・・
■ディレクターが撮ってきた素材のデジタイズ(仮編集用のPCへ撮影データを取り込む。当時は撮影時間の分作業してました)
■ディレクターが撮ってきた素材の文字起こし(選手インタビューなどを書き起こす)
■ディレクターが編集で使いたい過去のテープを倉庫から探しデジタイズ
■出場選手の過去の成績や基本情報を資料化・・・などなど
「あれ!?全然外に出れないし誰とも会えないじゃん!!」
運命を変えるスポーツバラエティーへの異動
夢と現実はかけ離れていたが、見るもの触るものは全て大好きなスポーツ関連。
何とか腐らずガムシャラに働いていると、それを見てくれていた先輩Dから運命を変える誘いが!
先輩「俺がやってるスポーツバラエティーの番組、人欲しいから来ない?」
私「行きたいです!」
こうしてスポーツ中継からスポーツバラエティーの世界へ。
似ている様に見えるが実際の仕事内容は全くの別物で、スポーツが得意な芸人さんとアスリートのガチンコ対決や野球選手のストラックアウト、サッカー選手のキックターゲットなど企画性の強い番組。
激務ではありましたが、有名選手とも会え色々な現場にも行け刺激的な日々を過ごしました。
ロケでケニアのマサイ族と芸人さんのリレー対決をしたのは貴重な体験。
そんな感じで約2年間過ごし、私の心境に変化が!
「1から番組の企画を作るって面白いな!もっと、どバラエティーの番組やりたいな・・・」
バラエティー番組のディレクターになって感じること
こうしてバラエティー番組を数多く手がけるシオンへ中途入社。
配属されたのが「スクール革命!」という内村さん・ザキヤマさん・オードリーさんなどなど超豪華なメンバーがレギュラー出演する番組。
この番組でADを1年半担当した後にディレクターにあげてもらい「台本作り」「ロケのまわし」「編集」など一からバラエティーの基礎を教えてもらいました。
現在、ディレクターになって7年ほど経ちますが、「タレントロケ」「スタジオ収録」「街頭インタビュー」「料理撮影」と様々な業務を行なっています。
そこで、ふと感じるのが「色々な現場へ行く」「現場のリアルな空気に触れる」「色々な人たちと仕事をする」スポーツ志望だった私がやりたかったことが、
バラエティーでもできている!
むしろ、バラエティーの方ができているんだなということ。
回り道したかもしれませんが、22歳だった私が思い描いた理想に近い日々を送っています。
ちなみにディレクターとしての初ロケは千鳥さんが「下駄飛ばし」や「遠距離水風船キャッチ」など様々な日本記録に挑戦するという企画。
初ロケという痺れる環境の中、AD時代にスポーツ番組をやっていたため、撮り方やロケ場所の仕込みなどは経験値としてかなり役立ちました。
今思うと、どんなAD時代の経験もディレクター人生に活かせるんだなと振り返って感じています。
女子アナに見とれているだけだったAD1年目の経験もそのうち何かに活きるんだろう。
株式会社シオン
ディレクター
笹尾 充
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