【リアル】2年目ADのお仕事レポート
入社してまずやるのはAD業務。私が就活の時、入社して最初ADはどんな仕事をするのか、仕事の環境ってどうなのか、気になったなと思い出しまして、テレビ業界に興味を持っている方に向けて、AD2年目のリアルなお仕事を書かせて頂こうと思います!
自己紹介
入社2年目「THE突破ファイル」担当の藤田です。
つい最近まで神奈川の実家から1時間半かけて出社していましたが、今年10月に人生初めての引っ越しをしてウキウキハッピーで仕事をしています!
リモート作業が増えたので、ちゃんと机と椅子を買いました。
現場のリアルな仕事
先日、noteに載っていた加藤Dとよく一緒にロケをさせてもらっています。
……簡単にロケと言っていますが、1年半突破に携わって流れがわかったADとして今思うことは、放送までの流れの中でロケが一番大変だということ。
なにが大変かというと、特に仕込み(準備)。
ロケ場所のことでいうと、突破の場合、特殊な間取りのお家、埋立地にできた学校など、難題の場合が多く、苦戦することが多いです。
1日で撮りきる事が前提なのですが、場面展開が多いのでメインの場所がきまったら、次は同日に撮る他のシーンの場所を探します。
移動に時間を費やすのは勿体無いので、できるだけ近場で探しますが、いよいよヤバい時は、グーグルマップでひたすら探したり、実際に足で探すときもあります。
そんな中、たまにロケ場所の神様に恵まれている時があって、電話をかけた先の方が、たまたま地主さんで、他の探している場所も無償で貸してくれたり、自身のコミュニティーの中で聞いてみるね!と協力してくれたり…。
もちろん、先方が一般の方の場合は、確認しながら慎重に作業を行っていきますが、人との繋がりが数珠繋ぎに形になっていくのを目の当たりにしてから、人間関係は改めて大切にするように心掛けています。
候補地が決まって、いざ、ロケハン(下見)に行ってみると、写真と全然違う!案外狭い!なんてこともあります。そのような時はディレクターさんと一緒に、その場所でどういう撮り方ならいけるか、別候補の場所にするか、等を考え最善の策を取ります。
また、プロデューサーさんともお金・演者さんのスケジュールの兼ね合いなどを話し合い、出来る範囲で撮影をするにはどうしたらいいかをみんなで考えて、1つのものを完成させています。
スケジュールは最初こんな風に作っています。
他にも技術さん・美術品・車両・弁当の発注などをします。
美術さんには衣装や小道具の用意、セットの建て込みなどの相談をします。
大掛かりなものだと、特注で、ロケット式の時限爆弾を作ってもらったり(※火薬は入っていません)学校の女子トイレに元々ある個室と同じ色、素材の個室を建て込んでもらい、あたかもそこにもう1つ部屋があったようにしてもらったり。
他にも、恋愛映画のチケットを発注することになった際、本物の映画のチケットはもちろん使えないので、自分と当時の先輩ADが恋愛映画っぽい写真を撮って、もぎり付きチケットを作ってもらったこともあります。このチケット、今だに見ると笑えます。笑
技術(カメラマン・音声・照明)さんも、ディレクターさんと一緒に撮り方等を模索して1つの映像が出来上がっています。
現場は各方面のプロの集まりで、皆さま本当にかっこいいのです。
そんな中でも、一番見習うべきはやっぱりディレクターさんで、当日の台本には、セリフなどの他に画の撮り方(=カット割り)が書かれています。台本の中身ももちろんですが、それを考えるって本当にすごいなって思うんです。
もちろん自分もロケハンには行っていますし、ロケ当日までにこの場所でこのシーンを撮って、誰が必要で、等を事前にイメージしますが、カット割りまでは、自分だけで想定することはまだできないので、せめてディレクターさんが作ってくれたカット割り台本をもらったら、入念にチェックすることは心がけています。
ロケ当日の現場では、常に次のシーンの準備でADが動き回ってます。
ADって、つまりはディレクターさんのアシスタントなので基本は、現場が円滑に回るための準備や裏回しをするのが主な仕事です。
ロケが終わったらロケの素材をディレクターさんが繋いで、編集所でテロップを入れたり色味を調整したりします。
編集所ではご飯時に出前を頼むのですが、そのためにたくさんのお店のメニューが
ファイリングされています。
めちゃめちゃ余談ですが私、普段からお店のメニューを見るのが好きで、編集所に置いてあるメニューファイル、いいなと思って、お家でもMYメニューファイル作っちゃいました。たまに眺めています。
そして編集作業と並行して収録準備をします。
収録準備はよく文化祭準備みたいと言いますが、確かにそんな感じで、カンペの用意や演者さんの名前や内容を書いた画用紙などを制作します。
昔の印象だとAD=雑用をするイメージだったみたいですが、少なからず私はこれまで雑用だと感じた仕事は一回もないですし、今、だいぶ働き方が変わっているので無下に扱われることはないです。
今までの番組経験
私は入社して突破以外にも複数の番組に携わらせて頂きました。
去年の夏は、ロケで山・川・海へいき、夏を網羅。日焼けで真っ黒になりました笑
真夏に外を走り回り、海でもモーターボートで波に揺られて、必死に怒涛の流れにしがみついていました。
出勤場所が全くバラバラの週があったり、上記のような経験ができるのがこの業界の面白いところだと思います。
冒頭でもお伝えしたロケ場所探しを含め、大変なことは多々ありますが、ロケが無事に終了した時、収録で演者さんがVTRをみて笑っている時、最終的に放送を迎えられエンドロールで自分の名前が流れてくるのを見た時は、やっぱり嬉しいし、そこにやりがいを感じます。
就職活動にて〜先輩から“シオンらしい”〜
就活で佳境に差し掛かった時、大学の先輩(別の制作会社で既にADをしていた人)に就活のことで相談しました。
当時、私はテレビの制作会社を数社受けており、その中でシオンの他に悩んでいる会社がありました。先輩にそのことを相談した際、「藤田はシオンらしい」と言われました。
先輩のその言葉を決め手にした訳ではありませんが、その時の悩んでいた私にとって何かがひらけた感覚になりました。
入社後、シオンを含めていろんな会社の方と仕事をしてみて気付いたことですが、
各社、会社によって“色”があります。
私が思うシオンのイメージは、先輩が優しくてADの意見も取り入れてくれる環境である、社員同士の仲が良い、会社自体が綺麗で明るいというイメージです。
入社した今、“シオンらしい”人間になれているか、もはや自分ではわかりませんが、そうだといいな、と思っています。
“変な趣味がある”“○○オタク”は、世間からしたら偏っている感覚の人?と思われるかもしれませんが、それが武器になる時もありますし、全然ウェルカムなのが、この業界を通して言えることだと思います。私も、昔から変な人だと言われてきましたが、それでもここまで仕事ができているのはこの業界だからなのだと思っています。
やる気さえあれば、どの制作会社にもきっと自分の居場所はあると思うのでテレビの業界に憧れを持っている方は諦めずにいろんな会社にトライして、自分に合った会社を見つけるのは、いいことだと思います。
今とこれから
入社してからここまでを振り返ると、突破はもちろん、他の番組も含めて、番組先で出会った方々からたくさん刺激を吸収した1年半でした。
今年からは、新たな挑戦としてYouTubeで田中さんのチャンネルに出させてもらったり、PR(次週予告等のCM)やフロアのAD(収録時、スタジオで仕切るディレクターさんのアシスタント)をさせて頂くようになりました。
来年の今頃は、何ができるようになっているか楽しみです。
これからも多くの可能性を掴んでいきたいと思っています。
株式会社シオン
アシスタントディレクター
藤田 純
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