「フラベリック錠」の副作用に苦しめられた話
音程がズレて聞こえる、あるいは半音下がって聞こえる。そんな経験をしたことある人はいるだろうか。自分自身、今まで生きてきてそんな経験はしたことがなかったし、考えたこともなかった。
1月某日、そんな災厄が我が身に降りかかってしまった。どの曲を再生しても、聞き慣れたはずの音が聴こえてこない。音程が明らかにおかしい。その時味わった恐怖を、実体験をもとにお届けする。
1月某日、風邪の症状を疑い内科へ出向いた。30分ほど待合室で待った後医師による診察を受け、薬の処方を宣告される。ここまでは良かった。症状を鎮めるために、それに合った薬を処方する。至極当たり前のことだ。何も特別なことは起こっていない。診察が終わり、診察代を支払い、提携の薬局で薬を受け取る。これが悲劇の始まりだった。
最寄りのスーパーで適当に食料を調達し、家に帰る。その時ちょうどランチタイムを迎えた頃だったので、持ち合わせの食材で昼食をささっと作った。普段通り適当に作った野菜炒めだ。ここで、初めて先程処方された薬と対面を果たす。机上に並べたのは、なんの変哲もないただの2種類の錠剤。疑う素振りも見せず、お茶とともに適当に喉の奥へ流し込む。とくに変わった様子はない。当日の夜も、同様の薬を服用した。
異変を感じたのは、翌日の朝だ。いつも通り、イヤフォン越しにお気に入りの音楽を聴く。が、何かがおかしい。明らかな違和感。音程、こんなに低かったっけ…?度が過ぎた音楽の聴きすぎで難聴でも患ったか…?そんな不安感に襲われた。「もうダメかもしれない」と絶望が押し寄せてくる。
意を決して恐る恐る調べてみると、音程がズレて聴こえる原因は、2種類の錠剤の内の1つ「フラベリック錠」であることがわかった。難聴ではないとわかった瞬間の安堵感。あの喜びは忘れられない。まあでもこんな不快な症状が約3日間続いた。徐々に徐々に、日が経つにつれて本来の音程を取り戻していくのだけれど、そんな感覚すらも気味が悪かった。
今ではすっかり正しい音程で音楽を聴けるようになり、すこぶる調子が良い。可能であれば、もう二度と「フラベリック錠」とは遭遇したくない。顔も見たくはない。
もうあんな薬は飲んでたまるか!!フラベリックめ!!と、怒りの湧いた出来事をお届けしました。万が一処方された場合は、症状を治す為と割り切ってしっかり飲みましょう。(当たり前)