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二十話 妖怪 改札塗壁(かいさつぬりかべ)

急いで自動改札機に駆け込むと扉につまる

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朝のラッシュ時は発車時刻ギリギリのタイミングで改札口に駆け込む人も多い。そんな時はスムーズに自動改札機を通り抜けたいものだが、思いがけずに警告チャイムが鳴り、開かない扉に体をぶつけてしまうことがある。そう言う時決まって後ろの人が嫌な顔をして、運が悪いと舌打ちさえされる。恥ずかしくなって逃げたくなるが、もう一度自動改札機にタッチしてみると案外すんなり通れたりする。「何だったんだろう?」と不思議に思いつつも、先を急ぐあまりその場をやり過ごしてしまうことがある。

しかし、それは運が悪かったわけではない。妖怪改札塗壁」のせいである。昔、暗い夜道に突然現れ通せんぼする妖怪塗壁」がいたのだが、昨今、防犯のため無灯の道は減り、代わって勢力を広げているのが妖怪改札塗壁」である。

しかし、やみくもに全て妖怪のせいにしてはいけない。期限切れや残高不足、他のICカードが重なってエラーになるのは自己責任なので、勘違いしないようにしよう。

どんな妖怪だった?

塗壁(ぬりかべ)
暗い夜道に突然現れて、通る人の前に立ちはだかり通れなくする。よけたり、け飛ばしたり、上の方を払ってもどうにもならないが、棒で下の方を払えば壁は消えるという。

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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。


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shioji
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