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七話 妖怪 目目連(もくもくれん)

試験終了間近にマークシートの解答がズレていることに気がつく

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碁盤の「目」という言葉があるが、格子状のマス目をじっと見ていると何だか誰かに見られている気がすることがある。それは気のせいではなく「目目連(もくもくれん)」と呼ばれる妖怪たちが、こちらを見ているからだ。

高層ビルが立ち並ぶ都市では、夜遅くまで窓明かりがついている。その一個一個の明かりをじっと見ていると、たくさんの目が浮かび上がってくることがある。それは残業している人たちの「帰りたい」と言う怨念が妖怪ビル目目連」となり、映し出されるのである。

また、試験で使われるマークシート用紙は、マス目のように記入欄が並んでいるが、たまに塗りつぶす場所を間違えて、慌てて直すことがある。試験終了間際に気がついた時は最悪である。ショックでわけが分からなくなり、何度もぬり直しているうちに全てのマス目が黒くなってしまう。この黒いマス目が妖怪黒目目蓮」である。。

もし、格子状の形を見つけたら、むやみにじっと見るのはやめた方がいい。人間を脅かそうとする妖怪目目連」たちと目があってしまうかもしれない。

どんな妖怪だった?

目目連(もくもくれん)
碁の棋士が住んでいた家で、念がこもり碁盤に目が現れるようになった。さらに家全体に広がり、家主が死んだ荒れ果てた家の障子に無数の目が浮かび上がるようになった。

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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。


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