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三話 妖怪 車洗(くるまあらえ)

フロントガラスの視界をさえぎるように虫は飛んでくる

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夏の夜に山間部をドライブしていると、決まってフロントガラスに飛んでくる虫がいる。そして、よりによって視界をさえぎるような場所に張りつく。前が見づらいので、ワイパーを動かして虫が取れないか試してみるが、微妙ににじんで返って見づらくなる。仕方がないので車を止めて外へ出て拭こうとすると、ガラスだけでなくバンパー全体に大量の虫が付いていた。

もはや夏の風物詩としてあきらめている人も多いだろうが、この現象は妖怪車洗」が原因かもしれない。この妖怪の足は汚く、いつも虫がたかっている。特に春から秋にかけて虫が大量に発生して足にまとわりつくので、走っている車を見つけては足をこすりつけて払い落としているのだ。しかもドライバーには見えないため、虫だけ車体に残して去っていく。

全く迷惑な話だが、この災難を逃れるためには、80キロメートル以下で走行すると妖怪車洗」に気づかれずにやり過ごせるそうだ。深夜だからといって、スピードを出しすぎないよう注意することだ。

どんな妖怪だった?

足洗邸(あしあらえてい)
旗本の上屋敷では、毎晩、天井裏から「足を洗え」という声がひびき、天井を突き破って巨大な足が降りてくる。洗わないでいると足の主は怒って家中の天井を踏み抜いて暴れる。

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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。


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