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競馬場で出会った勝負師達

勝負師達にもドラマがある。

杖をついて歩いて来た見た目が静かそうなお爺さんが競馬場に着いた途端、新聞を握りしめて叫ぶ。
「差せ‼︎行け‼︎」
目をギラギラさせて着順掲示板を睨む。
「取ったぞ」
お爺さんはニヤニヤと馬券片手に杖を捨て、足取り軽やかに券売機へ向かっていった。


平成最後の有馬記念、私が通っていた競馬場に救急車が来ていた。
救急隊員や警備員が集まる先に1人のお爺さんがヘタレ込んでいた。
意識はあるようだが隊員の呼び掛けに反応しない。
とんでもない額を突っ込んで具合が悪くなったのか、それともとんでもない額が当たって腰が抜けてしまったのか、どちらにせよ恐ろしいと思った瞬間だった。


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