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「あの年の誕生日は災難だった」と笑うあなたを信じていたの ないひとも居る今日があり息のたび横隔膜に積もる哀惜 送る日と知って頭で雲ひとつない空に雲ひとつ放った かなしみのプールを上がる もう一度覚えて。これが「おいしい」、「あつい」 抜き去ってほしい あなたは死が飾るまでもない頂を見るだろう 献花台として背筋を伸ばすのち花のかたちのピアス一輪
同じ世に生まれて同じタクシーに乗る夜があり、うっすら眩暈 いくつもの数字が息吹く焼け野原 国を背負って立つひとたちの 掌が燃えるほどメガホンを打つ通りの悪い声の代わりに ひとよりも多くの新をくべているあなたの火が見たくて恥ずかしい ふにゃふにゃの語尾はゆらめく幸福のかたちをみんな認めるように 長らくの火の番を終えようとする背を目で追って今、あくる朝
ムーミンは眉間に皺を寄せながら白夜に溶ける暁を見る 誰よりも柵の近くで手を振った乗りたいバスを見送りながら 海を越え花の都のぎゃるピース(渋谷の風がよぎったような?) 薄荷色のニューバランスの靴底につくはずのない泥のまぼろし ここからの言葉は遠い もう五分続く霞んだ酸素濃度は 隙間から熱い粘土が溢れだしそうにビブスを握る拳よ 四年後の歳を数える流星のごとく誰かの夢も運んで この星のそこここに散り向かい合うまた次にまみえるあかつきに
回収の目処の立たない手を貸してくらくら暮らしから踏み外す スーパーの閉店が来るガラ空きのパンの棚から何も選べず 半袖に後悔しても型落ちの夏の星座は寝そべっている 頭痛薬飲み過ぎていて匂いだけ黒霧島を鼻から吸った いにしえの慕情が夢枕に立つ長居しないで帰ってほしい 朝刊と落ちる速度を競り合って生活リズム地獄の初級 納豆の蓋に名前を書いておくそこにわたしが居るかのように 形骸化したブーケトス——ドライブで切り込む、ダンク——仕事へ戻る
またねって言って数歩で振り向けばまだポチャッコの肉球ゆれる (ポチャッコ) 引きずった毛布のなかはあたたかく好きに遠慮は要らなかったね (まるもふびより) どの岐路も能動的でいるように赤いリボンを心に飾る (ハローキティ) 焼きたてをつまみ食いして運ぶからきみと共有できるおいしさ (ポムポムプリン@館のレストラン) 寺嶋由芙さんによるRadiotalkでの「サンリオ短歌会」へ投稿した歌です。 サンリオ、そしてポムポムプリンを深く愛するゆっふぃーの企画に、同じくサンリ
朝方にわたしは細い一本の頭痛の芯の容れ物となる 占いを信じたせいで牛乳が二本同時に開けられている 職場までドアtoドアで一時間 to鵠沼をふいに検索 休日の街に消えたピアスどうか烏の巣でも輝いていて ひとりだけ晴れた午前に傘を持つ想像、そして置き傘を取る 迷い子がわたしの窓に訪れてそっと帰してやるAirPods 家に着くなり雨音は白熱し思い浮かんだ駅前のゲロ
車庫にゆくバスを見送りテザリング相乗りしても手は繋がない カンニング竹山さんへ 夢で身代金払ってくれてありがとう 右耳に2、左耳に2で4つ、ピアッシングにおいては素数 ローディング画面で深く抱きしめるきみの仇を取ると誓って きみの眼に涎を垂らしその星の地下水脈をダウジングする フライングタイガーコペンハーゲンの皿よ憎悪をまろやかにせよ 望まない命で臨むジャイアントキリングだった総じて損だ 野良猫のコーナリングのあざやかに彫刻刀の傷がこわばる
鼓膜から歌を伝って来れるよう夜は心を満たさずにおく 駆け足で地獄へ追ってゆこうともまだ早いって怒るでしょうね 眼に髪に肌に注いだ歓声とミラーボールを忘れずにいて 3首と少ないのですが、連作としました。 「メフィスト」で召喚された、女王蜂のアイドル・ぁゔちのことを思って詠みました。 地獄に帰ってしまって、名残惜しい気持ちでつくりました。 女王蜂・アヴちゃんのラジオに投稿した短歌です。 「ポエムバトルしよやー💙」との呼びかけにお送りしたところ、読んでいただけました。
本日の現場、あなたが本現場 ひとりじゃ来なかった街に着く 年齢は今年も林檎五個分で増えてゆくのは蜜の甘さで 繋ぐべき縁(えにし)をいつも待っているランダムチェキの箱の中でも あなたならきっと見つけてくれるからどんなに後ろだって良番 黒髪の放つ軌道は美しくたぶん黄金比に当てはまる 話そうとしていたことの八割が「今日もかわいい」に替わるツーショ 剥がされる一歩手前でまたねって結ぶ小指のあたたかいこと 人生を賭けてあなたは「ロマンスが見たい」と言って浪漫をみせる わ
決められたフラグで開く恋路でも出会えたことをよろこばせたい ブラウスはあなたが好きな色にする職場は別の次元だけれど 今世でも愛してしまう険悪なあなたに会ってみたかったのに 日曜はおおく心の準備へと費やされつつあなたへ電話 やわらかい蕾のうちにあなたにも集めてほしい彼女のスチル ときメモGSプレイヤー目線での短歌をつくりました。 どのナンバリングでも、どなたが推しでも、概ね読めるはずです。 (同作に限らず次元を超えた恋の経験がある方も、かもしれません) 自由に想像し
寄る辺ない幼き夜にオラチフは覚えぬはずのほっぺすりすり 動かざる灯台を消し鍵をかけ待つのをやめる 発見者たれ コライドン/ミライドンと似た面影はないけれど食いっぷりによぎるヨクバリス 追いかけた宝を前にした母/父がひとりで寂しかったとしたら 親友はおまえだけだと思ったがいつ付いたのかそうぐうパワー あの朝もふたりはハムサンドだった広げたパンに栞を選ぶ ポケモンSVの登場人物が、とりわけペパーくんが大好きで、短歌にしました。
本来の意味の他界のその先も別の身体でずっと推したい 「よし!今日もかわいいぞ」って言ってからステージに立つあなた かわいい ツーショットチェキのハートの容量じゃ溢れてしまう伝えたいこと (平凡を羨む夜があなたにもありますか)サイリウム折る音 アカ消しが済んだあなたの生活の平和を祈り今日も一日 RIUMさまからのお題「アイドル」で作った歌のまとめです。 推しのアイドル、アイドルだった推しのことを考える時間はとても幸福でした。 お題をありがとうございました!
朝食に仕留めた猫が一昨年のきみの風味で輪廻を思う chaんネルをゴ覧のミなさンこンニチわ!きョウわ彼女の耳ヲ食へ゛まス 映画から蓄積された心得がゾンビのぼくにもあるとしたら 小刻みに震える薬指を噛む未来永劫側にいようね ついうた様からのお題「ゾンビなりきり詠」で作った歌をまとめました。 お題のご提供を誠にありがとうございます! 楽しかったです🧟