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隠すべき心があるが泡盛の濃い透明に怯んでしまう 誕生日おめでとう もう親ですか苦手なトマトどうしてますか 食パンの柔いところを食べさせて素描のヴィーナスに光さす 訊くことがこわい気もしている母のこどもの頃の将来の夢 表題のTwitterハッシュタグにおいて、まとめた4首です。 なお、これまでの自選まとめはnoteのマガジンにも格納しています。
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やっと手に入れた機械のからだでも雨には弱いままだ、ルーシー 世界より自分のために返り血を正義の対は正義しかない 生き急ぐことは彩度を伴って躑躅がガードレールを包む 人生のどこで貼るかもわからない薔薇のトーンの備えだけある 転調ののち繰り返すサビに沸く何の話でそうなったっけ
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傷口を撫でる言葉が浮かばずに新玉ねぎを丸ごと煮込む 海になるシーンはカットされていてきみの中から雪は見えない 記憶では冬の歌だけ口ずさむ彼女の息は白くなかった 飴ほしい・見て海王星・寒いかも 帰り支度に時間をかけて 偶然をうんと懐かせ必然と言い聞かせつつ恋を続ける
鼓膜から歌を伝って来れるよう夜は心を満たさずにおく 摘みながら束ねる花のように脱ぐ海に適していないサンダル 飲みやすい一口分の悲しみは比べたがりを幸せにする 「噂では僕はあなたが好きらしい」掌で靴擦れに触れつつ 二回目のラストライブを見届けた帰路は十五のわたしと語る 表題のTwitterハッシュタグ企画に参加させていただきました。 上半期にも自選をしたので、今回は下半期に作った歌を中心にしました。 月毎の自選ではあまり対象としていないのですが、連作からも選んでいま
飲みやすい一口分の悲しみは比べたがりを幸せにする きみだって違う個体で「複雑な家庭」に対義語なんて無かった 今月も解けずに帰る婦人科の待合室に知恵の輪ひとつ 耳鳴りをライブハウスでもらい受け行きより歌舞伎町ややしずか 逆位置の運命の輪を捻じ曲げて終電降りて会いに行くから
布団から出ないわたしの日曜に届く近所のクシコス・ポスト 留守電を機種変更で失ってついにあなたは記憶のひとだ 大切なきみの心を攫うのが呼び捨てしないひとで嬉しい 恨みでも構いやしないその胸に永住権がありますように 「噂では僕はあなたが好きらしい」掌で靴擦れに触れつつ