光 芒~過去から解き放たれるとき~
暮れなずむ夕映えが
私の寂しさを浮き立たせる。
私は繊弱な花びらのように
そっと哀情を包み込む。
何度も何度も打ちひしがれるたびに
求め続けてきたね。
私が、私でいられる、その感覚を。
誰も気に留めない路傍で
零れ落ちていった徒花の泪を思い返す。
実にならない侘しさは
いつの間にか翳りとなって
私を大人にしたんだね。
閑寂な時のなかで、ふと私は・・・
自分の過去が落陽(落葉)していくのを感じた。
ぬばたまの空に白銀の月がそっと顔を出し
もう大丈夫だよ。とささめく。
光も闇も深みとなって・・・
私の中で溶け合っていく感じがした。
やっと・・私は、私になれたんだね。
生きているって・・こういう感覚を言うんだね。
煌めき出したヒカリが、光芒となって
今・・・放たれた。
Sara
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