月の祈り~太陽と月が重なる刻~
陽の光は冴え冴えと・・
闇に溶け込んでる月を逃さない。
深海に沈めたはずの私の本懐を
引力で呼び起こしていく。
昼間は鈍色でいられるのに・・
闇夜では、私を炙り出すように
煌々と照らしてくる。
ペルソナなんて、簡単に砕け散る。
太陽と月が相重なる刻限
こんなにも自分の性が・・顕現されて
女を自覚させられる。
影こそが・・
私を形作ってきた気がする。
陰(女)は、悲しみを養分にして
真夜中に育つのだろう。
まだ・・この世界では
再会を果たしていない
私の片割れの貴方を
愛おしく、焦がすように
胸間で懸想を温めながら・・・
私を蘇らせるのは
おそらく、私だけでは無理なんだ。
それが出来るのであれば
こんなにも求めはしない。
まだ出逢うことさえ叶わないとしても。
私の心は・・知っている。
あの人との邂逅は
天の時と地の利、そして人の和
すべて整うまで、赦されないと
いうのだろうか・・・
一抹の望みであっても
ひそやかに叫び続けている。
月だけでは、光ることなんて出来ない。
天よ。どうか・・
綻び始めた私を枯れさせないで。
せめて心だけはあの人の傍に
どうか・・居させてほしい。
届け・・・
天の川を仰ぎ見て
私は願いを祈りに変える。
Sara
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