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初めてのメンタル不調(病院の選び方)

はじめに

うつ病患者歴10年以上、産業カウンセラー、メンタルヘルス研修教材開発者としての投稿です。多くの方から相談を受けておりますが、その中で実際に行っている内容になります。

もちろん例外や、状況の違いもあるので全員に100%該当するわけではありません。他の方、専門家の方へのご相談も併せてご判断ください。

また、下記は基本的に日本の東京での選び方について記載しております。ですので、各地域の事情や医療体制によってノウハウの効果が大幅に変わりえます。

また、個別病院のご案内は一切しておりません。(すでに激混みだったり、新患者受け入れ不能になっています。)予めご承知おきください。

医者・病院の見分け方ですが、
 A.個体差・相性の問題
 B.医者・病院の問題
 C.無形サービスという問題
 D.患者側の問題
から、考える必要があります。

A.個体差の問題

その辺の飲食店に入って、いきなり美味しい店に当たるとは限りません。
 1.入った店の調理人の腕が良いかはわからない
 2.出してくれる料理と、自分の好みに合うかはわからない
 (例:美味しい中華を出してくれるが、揚げ物が苦手でツライなど)

同じように病院も
 1.目について行った医者の腕が良いかはわからない
 2.やってくれる治療・診断と、自分の症状・ライフスタイルが合うかわからない

医者・病院はどこも同じように高いサービスを提供できると思いがちですが、そんなことはありません。それぞれの方の専門性や得意分野や特性も違うはずです。

そのため、私は基本的に2ndオピニオン、3rdオピニオンをおすすめします。
ただし、抗うつ薬の効果は飲み続けて数週間〜1ヶ月以上しないと効果が出ないので、そこは前提にする必要があります。

B.医者・病院の問題

私が見聞きしたり、経験した中での見極めポイントは下記の通りです。
※ここはかなり独断と偏見に基づいています。そのつもりで読んでください。傾向に過ぎませんので、ここに該当しないが良い医者・良い病院はもちろんたくさんいます。ここに該当するがダメな医者・病院ももちろんいらっしゃいます。

1.良い医者は混んでいる。
2.良い病院はカウンセリングにも保険を効かせてくれる。
3.良い病院はチーム医療(多職種連携)をする。
4.中規模程度の病院がわりと良い(≒大学病院は通常医療向きでない。)

補足します。

1.良い医者は混んでいる。

初診予約は1ヶ月以上先はザラにありますが、悪いこととは限らないです。むしろ腕が良いから混んでいる可能性があります。

また日本は精神科が非常に混みやすい構造になっています。
・患者数に対して、精神科医の数が足りません。
・精神病の回復が長期的であり、診断も対話を長時間必要とするので患者が回復するまで半年〜数年に渡り、滞留しやすい。

ですので混むのはある種当然なのです。

2.良い病院はカウンセリングにも保険を効かせてくれる。

医者の診断は5-10分で5000円稼げます。カウンセリングは50分で5000円。
利益率が悪いにもかかわらず、それをやってくれる病院は患者の回復を第一にしてるところが多いです。

また単純に売上だけの問題だけでなく、家賃や工費もかかります。カウンセリングの場合、個別の部屋をつくり防音対策をし、家賃を支払わねばなりません。

それだけお金をかけて初めてカウンセリングが提供可能となります。

3.良い病院はチーム医療をする。

お医者さん一人より、複数人で対応している方が錬度が増しやすく、出来る事(治療の幅)も増えます。

医者が複数人居るということだけでなく、ソーシャルワーカーやカウンセラー、精神保健福祉士、元患者、ソーシャルスキルトレーナーなどの方も一緒に対応し、多職種連携によるサービスの多様化と質の向上を図っているところもあります。

スタッフ内でのコミュニケーションコストが増加し、業務幅も増えてしまうのですが、それでもやっているところは素晴らしいです。

4.上記3も踏まえて、中規模程度の病院がわりと良い。

とにかく大きい病院が良いという方もいらっしゃいますが、例えば大学病院は、通常治療とは別の目的(新人の教育/先端・ニッチ研究開発)があり、通常治療として必ずしも相応しいとは言えない場合があります。また大体混んでいる。

一方で小さな病院だと、チーム医療や多職種連携まで手が出ない場合があります。ある程度の規模がないとその効率性は落ちざるを得ません。

C.無形サービスという問題

これは、教育とかコンサルティングも同じ問題を抱えますが、そのサービス(診察、対話、処方)が良かったかどうかが分かりづらいのです。

まず、結果が出るまで時間がかかります
(抗うつ薬は2週間以上、寛解は半年〜数年)

次に、比較がしにくいです。
診察、対話、処方は受けてみないとわかりません。そのため家電やパソコンのようにスペック比較だけで良し悪しを判断できません。

受けないとわからないので、手間が増えます
手間を惜しむと比較できないのですが、かと言っていつまでも比較していても治療がすすみにくいです。まして医療の場合は薬を提供することが多いです。

薬の飲み比べは完全に時期を別にしなければなりません。でないと何が効いたか分からない。飲み併せが不味く問題が発生する・肝臓に負担がかかりすぎる可能性もあります。

ですので手間ひまがかかってしまう。これは医者や病院の問題ではありません。どうしようもない医療の特性なのです。

D.患者側の問題

実際に医療を受けないと良し悪しがわかない。そうした時に参考になるのが口コミです。(これは飲食店も同じですよね。食べないとわからないけど、口コミである程度のレベル感はわかります。)

ただし、ここに大きな落とし穴があります。

患者側が精神的な問題や、認知能力に問題を抱えていて、適切な判断を下せないことがありえます。

そうすると、私達から見て、「非常に良いサービス・良い医者・患者も多く信頼されている」良い病院が、それにもかかわらず、酷い口コミがひたすら書かれるということが起きます。

その逆に、医者やカウンセラーに依存しすぎて、ひたすら礼賛するというケースも見受けられます。

そのため口コミが当てにならない事も多々あります

また、患者の方のコミュニケーション特性も影響します。

診察でひたすらツラかったときの事を伝える方が居ましたが、その頻度を聞いてみると1%以下しか起きていなかった。ただその方の中では非常に大きなものになっていて大げさに語ってしまった。などという事がよく起きます。

医者も時間があれば、全部細かく聞けるのですが、そんな余裕はまったくないのです。

患者側の患者力によって、医療サービスが向上したり下がったりもしてしまうのです。ここはひとりひとりの患者の方々の努力によって変わる部分なので出来る方はぜひ鍛えてください。


以上、私が医者・病院を選ぶ時の視点でした。ご参考になれば幸いです。
ぜひ、自分の地域の医療状態にあわせて、判断基準を変えてください。(それが難しいことは承知ですが、そうお伝えする他ありません。)

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