「番外編」 滝行と篠笛
静まり返った森に聴こえる滝水の音と、極寒の
水面に映るのは鏡の様な冷たさ。
そっと指先から入り、冷水を拾い身体に掛け流す。
刺す様な冷たさと同時に全身に震えがくる。
ギュッと身体に力を入れ禊祓詞、そして滝へと
身を投じる。次第に滝水の音が消え、やがて
自分の中の奥の奥へ、深く、深く、入り込み、
ひとつの空間が生まれてくる。時が止まるのだ…
暫くすると我に返り、あの激しい滝水の音と共に
冷水が全身を叩きつける。そこでタイムリミット。
静かに滝から離れ上がる。そうすると今度は一気に
体が熱くなりやがて冷め、身も心も澄んでゆく…
篠笛を始めてから、滝行の時に得る、似たような
感覚があり、笛の音の中の奥の奥に沈みいり、
そして、スーと心が鎮まり、穢れを祓うのだ。
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