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Life of New Balance #2

グレーをコンセプトとした「NEW BALANCE Gray Store」の魅力を語るコンセプトブック『Feel Grey , Feel New Balance』。

福岡で存在感を放つ3名にお話を聞き、ニューバランスを共にするそれぞれのライフスタイルをエッセイとして仕上げました(P01-03)。

/2022年

:::これまでも、これからも:::

 登山家だったおじいちゃんの家にスニーカーがあった。鮮やかなブルーに惹かれ、そのまま譲り受けた「320」こそ高校生の僕が手にしたファーストNew Balanceだ。「320」を履いたおばあちゃんの広告は鮮烈で、今も記憶に新しい。
 その後アメカジブームが到来し、New Balanceの本質を実感した。最高のパフォーマンスに加え日常に溶け込むルックス。元クリントン大統領も愛用するほどの品の良さに憧れたりして。
 20代も半ばになり、僕は古着の世界に勤しんだ。アメリカでの買い付けはトラブルとドライブで毎日ヘトヘト。安全とは言えない環境下、いかに現地の人と同化するかが重要だ。ボサボサの髪にボロボロの服は着るけど、足元だけは履き心地抜群の「990」が外せない。大変だったけど自分のタフさはこうして作られたから結果オーライ。「困難なときこそたくましい人間が力を発揮する」って言うしね。
 そんな僕も歳を重ね、自分らしさを取捨選択する中、どういうわけか今も「990」が一緒にいる。ちょっとフォーマルなシーンにだって履くようになった。あれ?もしや今の僕、あの頃の憧れに近づいてる?1000点満点中990点の仕上がりにも程遠いけど、伸び代はまだまだあるぞ。
 こうして僕は、New Balanceと共に一歩一歩成長を積み重ねる。おじいちゃんにもらったあの日からずっと。まさか山登りの趣味まで譲り受けるなんて、思ってもなかったけどね。


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