春を嗅ぐ

ピチピチピチっ小鳥がおしゃべりを始めた。
雪解けの水がチョロチョロチョロ。
川に溶けて混ざる。

春の足音が聞こえる。

冬の気配が残っていてヒューと風は冷たい。
でも、お日様はオレンジ色の暖かい輪をつくり、
明るい空を浴びてポカポカ暖かい。

寝ていた虫たちがゴソゴソ地面で動き出す。
山の動物たちも久しぶりの太陽に、
薄目を開けて見る、
ハァーとあくびをして目覚め出す。
もうちょっとだけと、
まだ眠いようの子もいるようだ。

木や土の下では、
モゾモゾと待っていたかように
芽がちょこんと覗いて外の世界を楽しんでいる。

草木は早く山を緑に染めたそうに、
じんわりじんわりと広がって。
景色は春に近づいてきた。

大地をすぅー。

春の匂いがした。