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中熱とやや似るを弁証する(『内外傷弁惑論』)
上巻の最後の章である。外感の熱病と脾胃の虚によって起こる症状が似ていることについて言及している。特に日晡潮熱が外感病に特有のものであること、煩わしいのは時間を味方につけて判断するべきであることなど、今でも学びの多い部分がある。
現代文
さらにもう一種類型の病がある。酷暑の時期に外で労役(長時間の労働)を行ったせいで発病する場合である。たとえば、道路上を移動しながら労苦を重ねたり、田野で体を酷使したり、または体質がもともと弱くて食が少ないのに労働が過度になったり、あるいは修行のために普段から斎戒して胃気が長いこと虚している人が、労役をきっかけに発病したりする――これらはいずれも、陽明に熱がこもった“白虎湯”の証(外感による熱病)と非常によく似ている。
具体的には、肌を触ると高熱を帯び、いらだちや熱感から苦しみ、ひどく暑さを嫌がり、大量の水を飲みたがる。また労役が激しかったため、身体の節々が痛む。しかし病の初期は、まるで熱が余っている中熱の病とよく似ているので、もし誤って白虎湯を与えれば、十日ほどで死に至るだろう。
実際には、この病は脾胃が非常に虚弱で、元気が不足している証であり、口や鼻からの呼吸はみな短く、喘ぐように苦しい状態を呈している。
ところが翌日以降になると、陽明が(自然界の陽気を)得て活動できる時間帯になるため、少し軽快する。一方、もし外感による中熱の病であれば、午後~夕方(日晡)の頃に激しく熱がぶり返し、強い渇きで水を欲し、煩悶が止まらなくなる。しかし労役不足(内傷)による熱病の者には、そういうぶり返し方はない。そこで両者は容易に区別がつく。
どうしても判断しづらい疑わしいケースがあるならば、一日か二日ほど経過をみてから医者にかかれば、誤診を防ぐことができるのである。
原文
復有一等、乗天気大熱之時、在于路途中労役得之、或在田野間労形得之;更或有身体薄弱、食少労役過甚;又有修善常斎之人、胃気久虚、而因労役得之者、皆与陽明中熱白虎湯証相似、必肌体扪摸之壮熱、必躁熱悶乱、大悪熱、渇而飲水、以労役過甚之故、亦身体疼痛。始受病之時、特与中熱外得有余之証相似、若誤与白虎湯、旬日必死。此証脾胃大虚、元気不足、口鼻中気皆短促而上喘。至日転以後、是陽明得時之際、病必少減。若是外中熱之病、必到日晡之際、大作評語、其熱増加、大渇飲水、煩悶不止;其労役不足者、皆無此証、尤易為分解。若有難決疑似之証、必当待一二日而求医治療、必不至錯誤矣。
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