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朱子学がおもしろい

そういえば朱子学って知らないな ふとそんなことを思った。 なんとなく朱熹という人物が作った思想で性善説であり、科挙に使われていたという歴史は知っていたが、その内実は不勉強にして知らずに生きてきた。 中医学を標榜する一人としては一応読んどくべきかと思い、Amazonで『朱子学入門』なる本をポチッと買ったのだがこれがなんとも面白い。鍼灸の領域からしか「気」というものを見ていなかった自分としては目からウロコな話が山のようにあった。備忘録として感想を書いていくが、興味が湧いた人は

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    • 鍼灸院の開業

       雨の日の鍼灸院が好きだ。うちはそんなに大きい治療院ではないので、耳を澄ますと雨音が聞こえる。BGMに雨音が重なるとずっとこのまま心地よい時間が流れていくような気がする。ちょうどこの時期は穀雨と呼ばれて、穀物にとっては恵みの雨の時期なのだ。人にとっても春は気分が良いもので、なにか新しいものが始まる予感を感じさせる。  そんなことを考えながら朝の業務をコツコツとこなしていると、知り合いの先生がご開業という噂が入ってきた。自分の恩師と同門にあたるお方なのだが、今までなぜ開業されて

      • 心の病理(精神五臓第一⑤)

        さてさて、心の病理です。心(こころ)の病というくらい心(しん)と情緒の関係は深いようです。前回に引き続き、他の臓腑との関係性も交えながら心の病理が述べられているのが面白いところです。 原文解説心と五志 ここでは心による病理が書かれている。まずは東洋医学概論に載っている五志を見てみよう。 肝→怒 心→喜 脾→思 肺→憂 腎→恐 心の五志は「喜」であるが、ここでは怵惕(こわがる)・思慮(思)によって病むことが述べられています。また素問には憂が心の病理として述べられ

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        • 肝の病理(精神五臓第一④)

          原文解説肝気が悲哀で動揺する(肝気悲哀動中) 前回の引用から見ようと思う。 怒る=気逆。肝の志(向かうところ)は「怒」とあるので、肝気は上逆しやすい。志は病理的な意味だけではなく、生理的な意味が大きいので、肝気は上昇していく傾向があり、それが過剰になると「肝を傷る」という状態になるのだろう。しかし、この一節では肝気が悲哀で動揺すると魂を傷る(肝気悲哀動中則傷魂)とある。五臓色体表を学んだ先生ならば、肝気は「怒」じゃないのかという気持ちになる。「悲」の部分も見てみましょう。

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        • 鍼灸甲乙経 解説
          5本

        記事

          五臓の概説(精神五臓第一③)

          最初の節では、刺鍼において「神」が最も大切であると言うこと、第二節では、その「神」「気」が情緒や環境、労働などによって変化することを見てきた。この節では、前の二節を受け、より具体的に五臓とその虚実について書かれている。 原文意訳 下記の現代語訳は試験的にAIで翻訳して手直ししております。 厳密な考証はしておりませんので参考程度にご確認ください。 肝臓は血を蔵し、血は魂を宿し、気は声に、体液では涙に表われます。肝気が虚弱になると恐れを感じ、実すると怒りっぽくなります。さら

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          五臓の概説(精神五臓第一③)

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          情緒と気の動き(精神五臓第一②)

          前回の記事 原文と訳原文 甲乙経のこの節は、『素問・挙痛論』からの引用である。 意訳(AI翻訳) 下記の現代語訳は試験的にAIで翻訳して手直ししております。 厳密な考証はしておりませんので参考程度にご確認ください。 素問では、怒ると気逆し、ひどいと吐いたり下したりする。ゆえに気が上るという。喜ぶと気が和らぎ、志が達し体の機能が調整され、榮衛が通じ、そのために気が緩みます。悲しむと、心が緊張し肺が上がってしまい、上焦が通じず体内の熱気がこもって、気が消耗します。恐れる

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          情緒と気の動き(精神五臓第一②)

          刺鍼において最も大切なこと(精神五臓第一)

          原文と翻訳原文 現代語訳(AI翻訳) 下記の現代語訳は試験的にAIで翻訳して手直ししております。 厳密な考証はしておりませんので参考程度にご確認ください。 黄帝は問う。 「刺鍼については神に基づいて行う必要があります。血、脈、営、気、精、神、これらは五臓の貯蔵物です。徳、気、生、精、神、魂、魄、心、意、志、思、智、慮とは何を意味するのでしょうか。またその由来はなんなのだろうか。」 岐伯は答えました。 「私たちに天があるのは『徳』です。地があるのは『気』です。徳が気に迫っ

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          刺鍼において最も大切なこと(精神五臓第一)