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短歌・俳句・川柳まとめ

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短歌や俳句、川柳などをまとめていきます。
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#秋

さみしげな君の話を聞きとるように【短歌5首】

冬が来て咳やくしゃみが出始めて雪が降ったら静かになって かけがえのないたいせつないのちですむりをさせずにいきていきます さりさりとちいさな落ち葉踏みしだく見上げた月に吸い寄せられて 嫌なことどれだけ忘れられるかなあなたに胸を貸してもらって 大切に音楽を聴くさみしげな君の話を聞きとるように

風が吹き秋→冬色に塗りかえる 大きな筆よ優しげであれ

かろやかに【短歌5首】

早く寝るただそれだけのことなのにそれができない夜が溶けてく かすかでも寒ければ身を守るべく首という首ぬくぬくにする 心から愛を囁くこともなくただ漫然と満足な日々 一日の終わりに雨になぐられていっそ笑って然るべき夜 毎日がアドベンチャーでなくていい落ち葉ふみふみかろやかに行く

深まる秋【短歌5首】

お仕事をやりきれないまま金曜日なぜかやたらに食べ足りないな 「秋に聴くbutajiは良いね」そう言って君は光のなかに霞んだ 寒くなり部屋着を一枚増やしては深まる秋を感じて過ごす クッションをぽいぽい投げる息子の手ちいさいけれど一人前だ リラックスできているかな 週末の緊張感になぜか震える

寒くなり部屋着を一枚増やしては深まる秋を感じて過ごす

「秋に聴くbutajiは良いね」そう言って君は光のなかに霞んだ

通院し薬を貰う帰り道 風吹き抜けるきよき秋晴れ

おやすみ、またね【短歌5首】

秋雨よ 僕は毛布に包まってふるえているよ おやすみ、またね 完璧なコーンクリームチーズマヨトースト食べて元気百倍 もういいや どういう人でありたいかじぶんで決めるからだいじょうぶ 三連休ほとんど寝てた心地好い睡眠だったまた頑張ろう 元気にね、なりたいだけよ それ以外要らないくらい元気がいいの

栞を綴じる【短歌5首】

ごろごろと寛ぎながら本を読む読む読む笑う栞を綴じる うれうれの柿を食する秋であるとろけるような月をみながら 肩口でこてんと寝てる君のこと起こさぬようにページをめくる 夕ご飯お腹いっぱい食べた後うとうと読書しあわせな時 体調を少し悪くし眠ってた ぐっすり寝れてすぐ良くなった

夏を越えて【短歌5首】

夏を越えてここまで来たよ 晴れ渡る空の下にて一歩踏み出す  ◯ ゴミ箱をまた空にしてしき詰めて日々はきらめく これで良いのか 腰痛が悪化している じんわりと光のようににじむ痛みよ 真夏日がまたやって来た性懲りもなく恥ずかしげもなく 間抜け!  ◯ 秋の日に告白をした ぼくにだけ教えてほしいその美しさ

毎日えらい【短歌5首】

よかったねちゃんと起きれて行ってこれてえらいえらいね毎日えらい 水道のみずが冷たくなっていく季節が秋に移ろってゆく 夜になり虫の音がして横になる 静けさがある あなたを想う かなしさが減っていかない汲み出して確かめてみてもやっぱ減らない 食洗機まわしてBGMにして漫画読んでるいい曇りの日

花丸満点【短歌5首】

夢がある そのために今ひかってる 身近な人を想い敬う 眠れない夜に飛び交う思い出は良くも悪くも美化されている 照らし出す蛍光灯の冷たさよ不意に雷鳴秋の入り口 休んだらまた動き出すくり返しそのくり返し 強くなるから ちっぽけな私、はじまる朝起きて支度を済ます 花丸満点

照らし出す蛍光灯の冷たさよ不意に雷鳴秋の入り口