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短歌・俳句・川柳まとめ

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短歌や俳句、川柳などをまとめていきます。
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2024年3月の記事一覧

冷凍の子持ちししゃもを頭からむしゃりといってつよく生きてく

ここが我が町【短歌3首】

ヒーローになれなくていいただ僕がぼくであること忘れずにいたい LED蛍光灯が切れる頃 それは永遠みたいな時間 裏の山散歩に行けどあてどなくただ見遥かすここが我が町

裏の山散歩に行けどあてどなくただ見遥かすここが我が町

ヒーローになれなくていいただ僕がぼくであること忘れずにいたい

雨【短歌5首】

雨の中自転車をこぐフード付きダウンジャケットの心強さよ コーヒーを菓子をお供に飲み干した小倉トースト味のクッキー ふたりして雨風の音聴いていたいっしょの毛布に包まりながら 海水に浮かんでいると思い出は涙に溶けやすくなるそうだ 雨音で窓辺が青く染まってく君の町にも降るのだろうか

海水に浮かんでいると思い出は涙に溶けやすくなるそうだ

ふたりして雨風の音聴いていたいっしょの毛布に包まりながら

くちびるの皮を食べつつ考える世界平和はたぶん平熱

雨音で窓辺が青く染まってく君の町にも降るのだろうか

コーヒーを菓子をお供に飲み干した小倉トースト味のクッキー

雨の中自転車をこぐフード付きダウンジャケットの心強さよ

夜明け前【短歌3首】

蟹粥が美味しかったと言い残し君は眠った夜半過ぎまで 夜明け前に目覚めた時のほの白いすっきりとした妙なあかるさ 焙じ茶をはぷはぷと飲み陽がのぼるただそれだけを待ちわびている

硝子鏡【短歌5首】

慎重に硝子鏡を覗き込み触れてだんだん冷える指先 翼ならはえてくるよと母が言い父も頷き僕は信じた リズム良く生きているだけすぐ側に崖はたくさん見えてないだけ 二人して追いかけっこをするように愛し合ったね強くなったね はちみつが少なくなってきてるよと教えてくれる君の優しさ

わたしの舞台【短歌5首】

三日月の切先に触れ滴った血が甘やかで手当てが惜しい 暗闇をさまよっていた時のこと忘れずに明るいほうへ行く 三月の半ばも過ぎて思うのは、この先も健やかでいたいと。 大空に君の笑顔が照り映えて急に世界が眩しくなった イントロが鳴って一歩を踏み出してそこから先はわたしの舞台