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見上げたらつめたい星があの空をひっかくように流れていった
ストーブの側にいたくてしかたない もっと良いことばがあったはず
水道の冷たい水を飲み干して空を見上げる 月が見ていた
生活や人間が崩れていても立ち直るから大丈夫だから
魂が焦がれるほどの熱情をぶち破りたいほど君が好き
眠れずに泣いた分だけ軽くなるはずの身体がやけに重たい
居間にあるみかんを手にし剥きながら二口で食べ指の香をかぐ
「もうダメ」をどうにかこうにかやり過ごすその繰り返し 生きていていい
ひとしきり眠り続けて目覚めたら焦りも消えた 水がつめたい
ひとつぶの金平糖をなめながらぼくのペースで進んでいこう
ふかふかの服を着ている人たちが街にあふれて冬がはじまる
天空の斧の名を持つ錠剤を上手にできた湯冷ましで飲む
みんなして顔には出さずつらそうに透明なまま働いている
少しずつやっていければ終わること秋から冬へうつろう季節