智者は人を生かし、愚者は人を殺す
毎日のように、人が殺されるニュースが流れている。最近も若い女性が刺されて亡くなられた気の毒な事件があった。人間の体は精巧に作られていて、厳しい気候環境や病原菌にも耐えられるようになっている。なのに人間の身体は、人間の道具にはもろい。簡単に死んでしまう。
一方、私たちは、この3年間、多くの医療関係従事者が自身の身を顧みずにコロナ禍で懸命に人命を救う姿を見てきた。そして、人の命を救うのが如何に大変なことかをあらためて知った。
私は、医療とは関係のない仕事をしてきた普通のサラリーマンだったが、上司のパワハラ的発言で病気になる例も見てきたし、一度かかった病を直すのにどれほどの周囲の人たちのサポートが必要だったかも知っている。だから、人命のもろさと人命を救うことへのエネルギーを想像することができるつもりだ。
人命を救うには、正しい医学的知識・技術が必要である。医師、看護師、救急救命士、衛生検査技士など沢山の専門家がそれに関わっている。根底にあるのは、人命尊重の哲学に違いない。一方、人を殺すのに左程の知識技術は要らない。そこには、人命尊重の哲学は、まったく無い。だから、ついつい、こう言いたくなる。
「智者は人を生かし、愚者は人を殺す」と。
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