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玉寿司のちらし寿司

玉寿司に入り、ちらし寿司を注文した。海鮮丼とちらし寿司がある。ベテラン男性スタッフが、「海鮮丼は生モノだけ、ちらしは、卵焼きや蒲鉾などいろいろ乗っていて、オーソドックスなやつで、俺は好きなんだ」と言う。こういう自分を表す言い方が好きだ。私も、海鮮丼よりは、昔ながらの蒲鉾やでんぶ、煮たシイタケ、甘い干瓢、胡瓜などが乗っているちらし寿司が好きだ。

今日のちらし寿司は、うな重のような長四角箱に入っていて、丸い容器や角の丸い四角い容器のちらし寿司しか食べたことがない自分には新鮮だった。ネタが一枚ずつキレイに並べられ、真ん中に海老がドンと置かれている。ネタ一枚をその下にあるシャリと一緒に箸で持ち上げると握り寿司感覚になる。ひとつひとつ、ネタとそれに応じたシャリを綺麗に食べられる。とても食べやすい。かつて、うな丼とうな重はどちらが食べやすいかな、と考えたことを思い出す。やはり、海鮮丼よりちらし寿司が食べやすい。
(スマホの電源が切れて、写真がないのが残念)

そんなことを考えながら、食べているとお茶が飲みたくなった。熱い湯呑みを手に取ると、春夏冬の文字に気づいた。秋の字がない。何度湯呑みを回しても秋の字がない。玉寿司と書かれた隣に二升五合の文字がある。湯呑みの量よりはるかに多いこの二升五合の意味は何だ。気になる。

会計のときに、女性スタッフに「湯呑みに秋がないのはどうしてですか」と聞いたら、「秋がないので、あきないです」と教えてくれた。秋がないからあきないか。飽きないで来店してという意味かな。次いでに「二升五合は?」と聞く。待ってましたとばかり、「二升で升が2つだからマスマス、五合は半升ですが、ハンジョウで、益々繁盛の意味です」と教えてくれる。なるほど。合わせて「商い益々繁盛」になる。知って得した感があり、小さな感激。ご教授ありがとうございました。店通いの通人には有名なことなのかも知れないが、私は、このトンチめいた隠語がすっかり気に入ってしまった。

春夏冬に二升五合」で「商い益々繁盛」目出度し目出度し


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