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久しぶりに川の流れを見て

久しぶりに中川の土手に上り、ゆったりと流れる川を見た。

海は、遠い国とを結んでいる。だから、海はあこがれの対象だ。未来を感じる。湖には、太古から変わらない時間が止まったような神秘さを感じる。そして、川には、時の流れを感じる。

子在川上曰、逝者如斯夫。不舍晝夜。(『論語』子罕第九)(子、川の上に在りて曰わく、逝く者はかくの如きか。昼夜をおかず。)

川を見ると、この言葉を思い出す。
ある人が職場を去るときに、先輩がこれを書いて、その人に贈られた。このような人との別れや卒業式の送辞に使われている。下村湖人の『論語物語』で、孔子は、川の辺にあって、七十有余年の時を振り返り、わが子伯魚を失い、さらに最愛の弟子顔淵を失ったことを回想する場面が描かれている。

川の流れをながめれば、川の水は上から流れ来て、下へと流れ去る。流れ去る者は、人だろうか、時だろうか。人生の傍観者のように、川をながめる自分に気づく。人は川を見れば、それぞれの自分の川の流れを思う。


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