見出し画像

スマホと老人ホーム

以前に義兄が老人介護施設で「将来こういう所に来たら、パソコンは持ってこよう」と言った。本当にパソコンがあれば、外界ともつながっていられるし、音楽が聴けて、文章や絵を描いたりもできる。しかし、介護施設にいる母に会いに行った時に、あたりを見回しても、パソコンやスマホをいじっている人はいなかった。

ホテルのような高級有料老人ホームなら、入居者は、スマホを所有しているだろうが、介護施設になると先ずスマホを持っている人はいない。何故かしらと思う。母同様にスマホに不慣れな世代なのだろうか。

スマホがあれば、家族と電話やメールができる。ニュースも見ることができる。音楽も聴ける。先ず退屈することはなく、脳の活性化につながる。これからはスマホに慣れた世代が介護施設に入る。その時にはスマホが必要になると思う。

スマホ使用のリスクはあるかも知れない。ネットを通じたトラブルに巻き込まれたり、施設内での紛失トラブルで、スタッフが対応に追われるだろう。

それでも、自分が介護施設に入ることがあったら、スマホは持って行きたい。スマホがあれば、LINEで家族や友人と話ができて、写真をもらったりできる。毎日のことをnoteに書ける。要するに孤独から逃れられる。スマホは持ち込みできません等と言われたら、人生がしぼんでしまう。

介護施設では、入居者は身体の世話をしてもらえ、家族は安心できる。しかし、日常生活のすべてが受け身になり、能動的な活動が少ない。入居していた母は、色鉛筆で風景画を描いたが、その時の母の生き生きとした表情が忘れられない。自分の意思で動くことが、いかに人を幸福にするかを痛感した。

要介護老人がスマホを安全に使用できる環境整備をしてほしい。ホームにはWi-Fiは必要だ。亡失時のためにGPSはオンにしよう。悪質サイトはシャットアウトしてくれ。LINEなら登録者のみの通話だから安全だ。YouTubeは見たいな。こんな細やかだが、大きな夢、実現可能な夢を自分が要介護になったら、是非実現してほしい。介護施設の明日にスマホを! 

介護施設で描いた母の絵





いいなと思ったら応援しよう!