止まる気配すらない
何だか息苦しかった。
ここは宇宙ではないはずなのに、私のベッドの上だけ地球ではないどこかへ飛ばされて、まるで一生戻ってこられなくなってしまうかのような疎外感だった。
空虚な気持ちを心の臓に押し込めて、ふわっと眼球にまぶたを重ねた。かろうじてこの世界にとどまってはいるものの、頭は過去のトラウマばかりを私の意に反してリピートしていた。
思い出すのは、あの人から言われた言葉たち。優しい言葉・嬉しい言葉…
でも、今の私にはどんな意味を持つ言葉でも全てが悲しい思い出にすり替わってしまうのだった。
「ああ、これではいつまで経っても眠れないではないか」
呼び起こされたトラウマを一度無かったことにして、別の脳みそを使って私が私であることを受け入れようとした。
でも、それを自分自身が受け入れようとしなかった。
別の記憶が呼び起こされた。
あの夏、あの人に言われた悲しい言葉の数々。私の頭の裏側が火傷を追って治らない、強い言葉たち。
忘れようとしていたはずなのに。手放したはずなのに。脳がくるくると回転して、記憶を巻き戻し再生しているようだった。
私の心は、眠る世界へ素直に道案内してくれず、そのまま運良く眠りに付いても苦しい夢の反復作業しかできない、悲しい人間の性。
本当にごめんなさい。
許してください。
と、自分自身に謝り続けている。
許してくれる気配はない。
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