2023年読んだ・観た作品ベスト5
あっという間に年の瀬になったなと1年を振り返ってみると、「あれ? あの出来事って去年じゃなかったけ?」って思うこともあり、時の流れとは不思議なものです。とかいっておきながら去年の出来事がきのうのことのように思えたりと人間の時間感覚は当てになりません。え? 私の時間感覚がおかしいって? すみません。
今年は初のひとり暮らしなりとドタバタしてしまい、あんまり多くの作品を楽しめなかったなと思っています(それとも『ゼルダ』をやりすぎたのか……?)。一方、長年応援していた大作がいくつも完結したりと節目も感じました。
ということで完結した連載ものは別枠に設けて、母体数は少ないですがまた今年もベスト5を紹介していきます。
それでは今年も振り返っていきましょう。
第5位『NOPE/ノープ』
家で見てたんですが、ちょうどGジャンが出てきたところで地震が起きてしまい「えっ?! これ4D??」と錯覚して怖かったです。
ホラーとSFをうまくかけ合わせ、よく考察してみると痛烈な社会批判が入っててとても醍醐味がありました。もう1回見てみたら、だいぶ印象も変わるんだろうな。もちろん考察がなくても楽しめる映画なので良いです。
視聴後、ずっとGジャンの体内構造が気になって調べてました笑
第4位『チェンソーマン(第1部)』藤本タツキ
第一部までの評価ということで。
ラストがとても良かったです。悪魔とか血がぶしゃーとしながら、最後は温かく包み込む感じがありました。まあ、でも第二部があるってことはそうは問屋が卸さないんでしょうね。
やはり『ドロヘドロ』をリスペクトしているなという印象。『呪術廻戦』の方が世間的には評価高いかもしれないけど、私は『ドロヘドロ』が大好きなので、断然『チェンソーマン』派。
設定におぼれることなく、人間(???)ドラマを描こうとする姿勢が良いです。だから『呪術廻戦』みたいにたくさん登場人物が殺し合っても、「爽快感」と「感動」を感じるのかなと……これ以上の語りは野暮なので次にいきましょう。
第3位『汝、星のごとく』凪良ゆう
一気読みしてしまいました。どうせ泣かせにくる恋愛物語だろ?って思ったら泣かされました。
最初は『違国日記』のような展開かと思えば、急に昼ドラ(もはやこれは死語か??)になって、最後は力強くはかない終わり方でした。
二人の心情を表す1文がはかなくきれいで、それが読者の感情をぐちゃぐちゃにさせてきます。アンチ恋愛とか言わず、これはヒューマンドラマなんだよって感じで読んでみてください。
第2位『王様ランキング(アニメ第1期)』
非力なボッジを支える仲間たちの姿にじーんとくるものを感じました。人は、自分のことを信じてくれる人がいるから、強くなれるんだと思いました。
ボッジが本当は辛かったことを告白するところ、デスパーさんが母国へ戻るボッジにエールをかけるところ、そしてカゲがカバンの中からでてくるところ……この作品は印象に残るシーンがたくさんあります。
途中からボッジはとてもつよくなりますが、強くなってからがより醍醐味が増すかも。この物語は孤独との対話なのかもね。
そしてVaundyのOPが涙出るから聞いてくれ。
第1位『万事快調』波木銅
栄えある第1位は最高にイカれたこの作品。
地元のクソ田舎にクソ不満を持つ女子高校生たちが、学校の屋上でアレ(大麻)を栽培して売りさばいていく物語。この社会の闇をぎゅぎゅっと詰め込んで、最高にクソだと叫びながらミニシアターを見て、仲間内でラップを披露しています。いや、なんだこれ???
音楽、映画、小説、マンガなどなどありとあらゆるサブカルネタが総出で、原発とか在日外国人とかヤングケアラーとか覚醒剤とか闇売買とか、もう全部つめこんでいる。なんだこれは??
そして本作は松本清張賞を受賞しているとか。
文句なし!!!
アレルギー反応が出る方がいるかもしれませんが、ここまでのオススメ作品に耐性がある方だったら問題ないでしょう。
次からはベスト5とは別枠で紹介します。
ありがとう人生における大作①『進撃の巨人』諌山創
もうこれ以上語る必要はないでしょう。完全に自分が求めていた作品でした。ラストもとてもうまくまとめられていて驚きました。進撃はアニメ版ラストのアルミンの言葉をもって「完成」したんだと思います。
人生に影響を与えたわけではないですが、人生の中で面白いと思う物語の基準になりました。同時に「普遍的な」面白さと「自分が思う」面白さは根本的に異なるんだなと感じます。意外と周りで進撃が好きな人が少ない……。
最初から最後まで巨人の恐ろしさを描いていたところはすごいし、一貫したテーマがあったのもよかった。2000年後の君へ、っていうのはあいつに対してではなかったのか……という驚き。これは最初から考えていたんだろうな、脱帽。
進撃は世界の作品、マスタピースのひとつに値すると思います。でもそれは時代や感覚によって評価されないという意味。しかし進撃ははるかにそれを越えたものを描いている。そう思います。
ありがとう人生における大作②『違国日記』ヤマシタトモコ
あぁ、これも完結してしまったかぁ。心の救いでした。これもやっぱりネットで批判ワードがでてくるけど、なにいってんだ!って反論したい。
いつ、この作品に触れるかによって、誰の考えに共感して、ハッとされるのか変わってくるのだと思います。私は大学のときに買って、社会人になってこの物語を読み終えたとき、色んな登場人物の間で心が揺れました。自分自身にも色んな出会いと別れ、葛藤や悩みがあった。
みんなは、だれが一番印象に残っていますか? 私は……やっぱり朝ちゃんです。
番外編①『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈
ベスト5には入らなかったけど、好きな人はたくさんいるだろうということで紹介。この本を後輩に貸したところ「森見みたいな感じがする」などという感想をいただきました。
コロナ禍の青春を追い求めて、って感じからスタートして、話題の中心にはいつも成瀬がいるという物語でした。成瀬はとがっててかっこいいニュヒーロー。
番外編②『アステロイド・シティ』
なぜか記憶に残る。
なぜか宇宙人が写真撮影に応じているところが記憶に残っている。なんでこの作品は微妙に記憶に残るんだろう。豪華俳優陣の贅沢な無駄遣いのせい? それとも物語構成? 世界観? まあ、私はなんでしたっけ、あの鳥が好きです。
深いことは考えず空を見上げましょう。
面白かった物語リスト
その他、面白かった物語をリストにして紹介します。
【小説】
・『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子
・『海と毒薬』遠藤周作
・『人間に向いていない』黒澤いづみ
【映画】
・『タイタニック』
・『エブリシング・エブリウェア・オールアットワンス』
・『ゴジラ-1.0』
【漫画】
・『自転車屋さんの高橋君⑦』松虫あられ
・『スナックバス江』フォビドゥン澁川
【新書】
・『イスラームの歴史 1400年の軌跡』カレンアームストロング
・『朝日新聞政治部』鮫島浩
・『語学の天才まで1億光年』高野秀行
こう見るとやっぱりあんまり今年は作品に触れられなかったという印象ですね。社会人になってもゲームに映画に本やマンガを毎日たくさんできている人って本当にすごいです。ゲームといえば『8番出口』はパソコンのスペックが足りなくて大苦戦しました。結果、初クリアですべての異変を見つけるということに……。
最後に
ここまでお楽しみいただけましたでしょうか。皆さんも今回紹介した作品の中で気になったものがあればぜひ手にとってみてください。
最後にネタバレにならない程度に、今年いちばん心に残った言葉を紹介します。今更だけど『王様ランキング』の方が心に響いていますが、まあ、いいか!
『たくさん抱きしめてあげて』
小説のプロットは完成しているので来年からちょこちょこ執筆していきたなー。
それでは良いお年を。