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お金と時間とエネルギーで叶う未来

執筆者:パラサウロロフス

金融リテラシーを学んだけれど、安心・安全は得られなかった

元パートナーと同居しているとき、お金に関する書籍を渡され、私はそれを読み要旨をまとめることをしていました。何度も再提出し「資本主義の原理を知るものが資本主義を制する」というスローガンのもと沢山の勉強をしました。「自己投資に関すること」「お金に働いてもらうこと」「資産と負債のちがい」「会社をつくって節税する」など様々な内容に触れました。

また、お金そのものを循環させる必要があるという指導のもと、お金はある一定期間、一定額以上は手元におきませんでした。一定期間がすぎたものはその時点で寄付あるいは株式に回し、お金をまわすようにしました。節税のため年額の寄付額についても収入に合わせ定められており、私もよくわからない団体に寄付を指示されていました。

おそらく、同年代の日本人と比べたら、私は、かなりマネーリテラシーが高い方だったと思います。

こうやって書くと、マネーリテラシーを学べる良い環境にいたように見えるかもしれません。しかし、私にとっては、安心・安全な場とはほど遠く、売り買いのタイミングを間違えて大変なことにならないか、家計簿の計算は間違いがないかいつも身が縮むような思いをしていました。

社交場で望まれるスタイルのドレスをきて業界のパーティーにも参加しましたが、満たされるものは何もなく、どこかで操られているような感覚がありました。目立たないように、でも時々愛想のいい顔をして場をなごますような会話をする。ふと高層ビルの窓にうつった自分の姿をみると、あきらかに自分ではない自分がそこで微笑んでいました。

お金は目的をかなえる手段として良い力を発揮することもありますが、お金のパワーに振り回される怖さも経験した私には、「お金」と「時間」と「エネルギー」の3つのバランスを保ち常に整えておくこと、それが私の大切にしたい価値観、マネーリテラシーなのだという強い実感があります。

今はひとり親になったことで、自分で判断して扱えるお金が増え、お金の収入・支出について自分が主導権をにぎることができたこと、そして人生に主導権を得たことをとても喜びを感じています。

このエッセイでは、二人目の子を妊娠中にひとり親となることを決め、住む場所も仕事も捨て、大きなお腹のまま、まだ幼い長男を連れて、都会から田舎町に引っ越してきてからのことを書いていきます。

出産を無事に終え、これから働いてさあ、お金をいっぱい稼ぐぞ!と思った矢先に長女の病気が発覚しました。

育児日記と時間の管理で見えてきたこと

生まれた時からわが子は体調を崩すことが多く、病院で医師に子どもの様子を説明するために、育児日記に様々なことを書きとめていました。子どもの体調のこと以外にも、自分のこと、これからの未来のこと、不安なことも含めてすべてメモのように育児日記をつけていました。

ある日、何となくシングルマザーズシスターフッド主催のセルフケア講座に参加しました。そこで「セルフケアは贅沢ではない」といわれハッとしました。

私はこれまでセルフケアを「贅沢」だと思っていたのです。

少しの時間でもいいから自分をケアすることを始めました。セルフケアのための時間を捻出するために、まずは一日に使える時間を把握することにしました。何時に起きて、スマホをどれだけ触っているか、ボーっとしている時間もすべて書き出しました。

すると、一日3時間ほどスマホを触っている時間がありました。子を寝かしつけた後のほとんどの時間が使われていました。そのため自分の就寝時間が遅くなり翌日に影響を及ぼしていることが明らかになりました。

把握が終わり無駄な時間を削減・縮小したところで、次に自分のワクワクするようなイベントを15分1単位で入れていきました。ケーキ屋さんでケーキを買う、新しい文房具を買うなど、ちょっと自分がワクワクすることを日記に書き出してリスト化してみました。そして、それをかなえるための時間マネジメントをしていきました。

日常にひょっこり顔を出すSNSを空いた時間にだらだら見るなどの無駄な時間をみつけたら、それをすぐ育児日記に書きとめ、チェックし、その時間にやりたいことリストに書いた項目を実践することにしました。

するとこれまでは子どもの世話でいっぱいだった毎日に、自分の時間ができるようになりました。自分のやりたいことがみえるようになってきて、未来は自分と約束した通りにどんどん叶っていきました。

未来を見据えたお金の管理で実現したこと

溜まっていたやりたかったことが満たされると、次はこんなこともやってみたいと思うようになり、これまで考えもしなかったやりたいことがでてきました。そしてそれらのやりたいことを叶えるためには、未来を見据えたお金の管理が必要になっていきました。

お金の管理も時間と同じように現状把握をおこない、その後にやりたいことを実現するために、どのようなものにお金を使い、どのようなものは削減するかを考えていきました。

そして、自分のやってみたいことであった進学と開業を実現しました。

そしてその時、わたしは元パートナーに「お前みたいなのが大学院にいって価値を高めると金になりそうだな」といわれたことを思い出しました。この発言からも、私は一人の人間として尊重されていなかった、と痛感します。

一方、客観的に見て、元パートナーは商品をみる目はありました。であるならば、大学院に進学することでわたしの価値は何倍にもなるのではないか、とも思いました。

大学院進学は、彼の言うとおりにするみたいなところがあり、くやしさや反発心も覚えました。でも、自分が人生で挑戦してみたいと思ってリストにあがってきたものでもあり、自分の意志で決めていることには変わりはないと思い、決断しました。

今は日中は学生として大学院に通いながら、空いた時間を活用して仕事をし収入を得ています。収入はひとり親になる前の10分の1になりました。決して多くはない収入ですが、預貯金の把握ができているので、定職についていないことにそこまで不安にならず、気持ち的には安定した日々を送っています。

日々の時間とお金はスケジュール帳や家計簿をつけながら管理をしています。お金に関しては、アプリを用いて口座、クレジットカード、電子決済データ、主要な通販サイト、カードのポイントをすべて紐づけして収入と支出、預金を管理しています。ほぼ毎日何かしらのリマインドが送られてくるので、それが助けとなって忘れずに管理をしています。

出費が多い少ないで管理するのではなく、心地よさやワクワクしたお金の使い方になっているかどうか、未来につながる使い方をしているかについて気を配っています。

少々予算がオーバーしていても、それが自分の未来を切り拓いていくための必要なお金なら迷わずに支払いすることにしています。今は会社員のように必ずしも動いたことがお金(給料)にはならないのですが、その悔しい気持ちが必ず何年後かには実を結ばせるぞ!という強い原動力になっています。

なりたい自分になるためのお金と時間とエネルギー

今回「お金」というテーマでエッセイを書く機会を得て、改めてこれまでお金とどのように向き合ってきたのか、そしてこれからどのように向き合いたいのかを考えました。

これまで何となくお金・時間・エネルギーの3つはどれもお互いに影響しあっているのではないかと思っていました。セルフケア講座を受けてエネルギーを整えていくうちに新しい仕事が入ってきたりと不思議なことを経験したこともありました。

先日マネーリテラシー講座の基礎編を受講し、それは確信へとかわりました。講座では自分にとって快適なお金・時間・エネルギーのバランスを図にするというワークをしました。そのバランスは個人差があり、自分の心地よい状態でそのバランスを保つことが自分の人生を快適に過ごすためのポイントなのだということを学びました。

講座を受講してからはお金・時間・エネルギーの3つの軸で自分だけのミーティングタイムをとることにしています。1カ月に1回、スケジュール帳をベースにして今の自分のエネルギー状態を観察しながら、お金の流れがどのようになっているか、今後自分はどう生きたいかと自分との対話をしています。

私はこれらの経験を通して、なりたい自分を叶えるためには、時間・お金・エネルギーの「今」を整えることが大事だと思うようになりました。

未来がみえない、先が見えなくて不安になることは日々の中でわたしもよく経験します。そんな時こそ「今」を整えることで、目指す未来のために今何をすれば良いのかを考えることができるのではないかと思っています。お金の管理、時間の管理、エネルギーを整えることを毎日続けることで、未来は想像以上に変わっていくと信じています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。このエッセイは、NPO法人シングルマザーズシスターフッドの寄付月間キャンペーンのために、シングルマザーのパラサウロロフスさんが執筆しました。
このキャンペーンでは、シングルマザーのマネーリテラシー向上を呼びかけています。「こういう支援て大事よね!」とご共感、ご賛同くださる方には、ご寄付をお願いしております。いただいたご寄付で、シングルマザーがマネーリテラシーを身につけるための講座を実施いたします。ぜひ、寄付月間キャンペーン応援ページもご覧ください。


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