ちっちゃなお店、ドムドムの魔力
別に吹田に用事があった訳では無い。
たまたま行く店舗が吹田にあっただけなんだ。
単身赴任先のマンションから一番近くの店舗が吹田にある。
明け方から降っていた雨も止み、バスと電車を乗り継いで30分強。やってきました吹田。普段は通過するだけで降り立ったのは今日が初めてだ。
note友達の星野うみさんがどっぷり浸かるドムドムバーガー。またの名をドム教と呼んでいる。どうやらそんなドム教に僕も入信してしまったようで、朝からソワソワしていた。今日は初のドムドム寺院の参拝なのです。
スマホを取り出し地図で場所を確認すると、JR吹田駅前のイオンの中にあるという。イオンと言えば大型ショッピングモールをイメージしていましたが、駅を降りて辺りをぐるりと見渡しても、そんな商業施設はどこにも見当たらない。
「ん?」
しかし、ふと視線を落とすと、それらしき店が立ち並んでいるのが見える。
ちっさいイオンだ。想像していた施設とは違い、田舎の温泉街にあるお土産売り場に毛が生えたような空間だった。かなり意外ではあったが、妙な安心感が湧いてきたのも事実。きっと僕好みの雰囲気だったからだろう。
マクド、ミスドはすぐに見つかったが、ドムドムはどこにも見当たらない。何度もスマホと睨めっこしても見つからない。もしかして閉店?
そんなはずはない。仕方ないので、イオンの中にいたオッサンに聞くことにしました。
「すみません、この辺りにドムドムバーガーがあるはずなんですが」
そう尋ねると、ニヤニヤしながら教えてくれました。
「あー、象のやつやろ、一旦外に出て左に真っ直ぐ行ったところや、ちっさいから通り過ぎんようにな」
ありました。
ひっそりすぎるやん。一見するとクリーニング屋にも見えるし、見様によっては中学生が通う学習塾にも見える。「もうチョイなんとならんのかいな」これが初めて参拝したドム寺院の印象でした。
イオンのオッサンが言っていたように、店内はかなりちっさかった。建物も華やかさに欠け、まるで30年前のゲーセンの雰囲気すら感じる。店内にいるお客さんは僕を入れて7名。隣にあるマクドと比べると、明らかに客層が違い、少なくとも平均年齢は10歳以上は上だ。まぁ、その平均年齢を飛躍的に上げているのは、紛れもなく僕なのですが、更にここにはどうしてか子供の姿がない。
本職のマーケターとしての血が騒ぐのか、気づけば知らず知らず客層のモニタリングを始めていた。僕を入れて男性は3名、女性は4名。男性の年齢は推定、36歳のリーマン、45歳の無職、そして52歳の僕。一方女性陣は推定平均年齢49歳といったところです。
窓辺でカタカタとキーボードを叩いている女性を除き、平均滞在時間は11分でした。お客の殆どはハンバーガーを喰らって直ぐに退店しているのです。ファーストフードというより、近所の食堂と行った感覚に近い。パソコンをカタカタ打ち込む女性だけは例外でしたが、店内は敢えて長居が出来ない仕掛けを巡らせているのかもしれない。
僕は海老カツバーガーのランチと、単品で厚焼き卵サンドを注文した。
値段は¥930。価格帯はマクドとそれほど変わらない。不思議なのは、包装紙はやたらと可愛く若者ウケしそうですが、何故だかお客の年齢層が高い。中年に響くおまじないを施しているのだろうか、このドムぞう君は。(赤いゾウのキャラクター)
美味しそうなので咄嗟に注文した厚焼き卵バーガー。実はこれが大正解。運ばれて来た厚焼き卵バーガーは手に持てない程に熱い。出来立てほっかほかというより、アッツアツ。
これまで高級料亭の作る厚焼き卵サンドを頂いて参りましたが、それらと比べても全く引けを取らない。むしろ、たった¥330でこのクオリティならば、相当にお得ということになる。これには本当に驚きました。
「こりゃ美味い!!」
僅か10分たらずの滞在でしたが、満足しまくりました。
ダイエット中だというのに、ジャンキーなバーガーをふたつも食してしました。僕にとって初めての吹田は、短時間のドム教寺院の参拝となリました。
店を出ると、ゴリラさんがドヤ顔で見送ってくれた。
「また来るわ」
「うん、また来いよ」そう言って見送ってくれました。
最後まで読み進めて頂きありがとうございました。🌱
🍵 僕の居場所