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「私はどう生きたいのか?」ホームに立ち来ない電車を待つ孤独

「私どう生きたいの?」
この問いに答えが出せなくて悶々としていた。

なぜ急にこんなことを考えたかと言うと
ふと、こんな世界が見えたからである。

毎日、ホームに立っていると電車が来る。
私が利用している地下鉄は次から次へと電車がホームに入ってくる。
ディズニーランドのジェットコースターみたいだ。
電車が来ては、数分刻みで人々を次の目的地に運んでいく。

ある日、そんな電車がホームに現れない。
あれ?
待てど暮らせど電車が来ない。
右の暗闇からライトが近づきホームにすべりこんでくるはずの電車。
左の未来に滞りなく連れて行ってくれるはずの電車。

来ない。

一時的に、ではない。
出玉は使い果たしてしまったように全く来る気配がない。
周りの人はいなくなり、いつしか私一人に。
私はホームに取り残されて、なす術がない。

ぽつん。

そんな世界が見えたのだ。

こんな経験はないだろうか。

日頃から彼にちょっとした不満があった。しかしある日彼から別れ話を切り出されてしまう。
私が悪かった、あの態度も言い方も悪かった、可愛げがなかった、全部自分がいけなかった。全部直すから別れないでと思ったことが。

仕事の愚痴ばかりを言っていた。
しかし会社のリストラが始まると聞いて、神様、これからは全部嫌がらず仕事します。文句言いません、だからどうか辞めさせないでとお願いしたことが。

私はある。ばりばりある。数えきれないくらいある。

自分の手から離れそうになると、自分の至らなさを知る。
問題は自分の中にあるということに気が付く。
いい気になっていた自分の鼻をへし折られる瞬間である。

反省して、これからはちゃんとしようと心に決め、時間が徐々に傷を癒し、また前に進む。

何も考えずオートマティック。ホームに電車が来て、それに乗れなくともまた次の電車がくる。それが当たり前の世界だと思っていた。

来ない電車…

立ち直ればまた来るはずと思っていた電車…

孤独感に襲われる。
今度はもう来ないのか。
あれが最後だったのか。

さて、私にとっての電車とは何だろう。

それは「人とのつながり」である。

日頃おざなりにしている「人とのつながり」
テレワークをするようになり人とのつながりがすりガラスを介してのやり取りになり、そのおかげて有難いことにストレスが軽減した。のに。

嘘⁉
と私を知っている人は思うだろう。
自分のことをよく知っている私ですら嘘⁉と思う。

私は人付き合いが苦手だ。
誰かといると色々と不具合がでる。
そのためついつい一人で行動してしまう。
頼らずに一人でがんばってしまう。
接したくない相手とは割とすぐ距離を取る。

相手が敵意を見せてくることや、相手の考えを受け入れられないことにストレスを感ることも理由の1つではあるが、人付き合いが苦手な一番の理由は、自分が上手く立ち回れずに、相手に壁を感じさせて、疲れさせてしまうことに怯えているからなのだ。自分といることで相手に渡せるプレゼント(メリット)がないとも思っているから。
私は自分が嫌いである。

このまま逃げ切ろうと思っていた。
自動的にくる電車に乗りながら、なんとなくここまでやってきた。
自分を変えようとはせず、だましだまし、繕って、嫌いな自分のままで人とつながってきた。

でも…
出玉が尽き次の電車が来ないとなると、それは大変だ。

「神様、自分を変えるから、どうかまた電車に乗せてください!!!」
お決まりの神頼みである。

苦手だけど、人づきあいが好きなのだ。
誰かと共に時間を過ごしたい。
人生ひとりの恐怖。

自分が嫌いな自分を変える時が来たようだ。
それが私がこれから生きたい形。

「私はどう生きたいの?」

偽りの自分ではなくて、内側から発する自分、それは美しいものであるべきなのだ。その美しさに自分が納得できれば、電車が来ようが来まいが、ホームには自信と確信に満ちた自分が立っている。そんなイメージが湧いてきた。
もちろん、そんな自分のところに電車が是非とも来て欲しい。

高慢でいることは間違っている。
人を疲れさせるなんて卑下している場合でもない。
苦手から逃げて、なんとなくやり過ごすのはもう止めよう。
孤独はいやだ。

人生は気づきの連続である。
その気づきをエネルギーに変えられるのは自分だけである。
限りある人生で「私はこう生きたい」を決めるのが笑ってしまうほど遅くなってしまった。けれども生きている間に気づいたことに感謝する。

誰かと生きていきたい。
そのためにはホームでただ待っているだけではいけない。
自信をもって電車を迎えられる自己肯定。
乗った電車に払う敬意と謙虚さ。
手遅れになる前にできることがある。

そんな夢のような現実のような、過去のような、現在のような、未来のような映像が混在して目が覚めた。

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