詩『微熱』

『微熱』


 36度で微熱と言って
 学校を休んだクラスメート

 恋心を微熱のように
 顔を赤らめ動悸でふらつく自分

 下がらない微熱で検査
 重病じゃないか?と不安そうな親

 高熱にうなされないけれど
 夢という小骨がのどに張り付く

 準備のように
 予告のように
 警報を鳴らしてくる

 「ハックション!」

 ダウンジャケットを
 クローゼットから取り出した

 微熱の天使は
 セキセイインコの振りをして
 肩で囁く

 「おそれないで…」

 夜空を飛ぶ魔法の粉なのか?
 微熱の翼を、広げよう

 恋も夢も
 飛び立たないと
 始まらない





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