詩『父親』

題名
『父親』


友達(とも)と比べた 父親は
黙りこむほど 恥ずかしかった
仕事着ばかりで 夜勤して
下品で酒好き 見栄っ張り
反面教師と あなたを思い
サラリーマンを 目指したけれど
めぐりめぐって 酒場にて…
親子酒から おとうさん

人の付き合い 不器用で
母には弱く 根は臆病で
それでもこどもにゃ やさしくて
野球やプロレス 教わった
ぶつかりはじめて ケンカもやった
会話も途切れ 目も反らす仲
めぐりめぐって 酒場にて…
ごめん、代わりの もう一杯

「実は先日検査して…」
そんな話を まじめに告げる
レバーと煮魚 好きだよね
かあさん…そのこと 知ってるの?
男と男にゃ たたかいがある
縄張り引き継ぐ 儀式のような
めぐりめぐって 酒場にて…
むかし話で 夜明け酒




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