岩手県北上市 温泉一泊プチ旅行記【後編】
前編はこちら。
保養目的で宿泊先以外はほぼノープランだった岩手県北上市への温泉一泊旅行が予想外の充実っぷりとなったご報告の後半です。
特別芸能公演「集え若人~岩手の民俗芸能~」
北上の水神温泉を予約した際にネットで見つけた伝統芸能の催しは、温泉のすぐ近くにある「鬼の館」の開館30周年記念イベントの一環として開催されたものだった。
前日の6月29日に駐車場がいっぱいで断念した「北上・みちのく芸能まつり GEINO女子公演inきたかみ」は女性中心の団体によるイベントだったとのこと。
翌6月30日のこの日のイベントは、「特別芸能公演 集え若人~岩手の民俗芸能~」と題されており、特設サイトの案内文によれば、若手メンバー中心の団体が多数参加して岩手県内の鬼剣舞や鹿踊、さんさ踊りなどが披露されるという。イベントの最後まで見るのは時間的に難しいが、午前中に披露される鬼剣舞は是非見たい。
鬼の館の見学を終えて外に出ると、ステージ前の椅子席は既に満席となっていた。
後ろの芝生席で開演を待つ。
オープニングは、「はばたき太鼓」による和太鼓の演奏。
勇壮な太鼓の後、「二子鬼剣舞」の3世代公演として、 北上市周辺に伝わる伝統芸能「鬼剣舞(おにけんばい)」が披露された。
3世代とは、子供達による少年団、その上の世代で高校卒業までの修行生、大人達による保存会だと司会から説明がある。
先ほど鬼の館を見学していた子供達だろうか、幼い女の子達が太鼓が設置されたステージ前方へ。そして、鬼の面を被った大勢の演者。
演奏と共に、演目が始まった。
鬼剣舞の様々な演目が次々と披露される。
厳かなものから、アクロバティックな激しい動きのものまで。
見ることが出来て良かった。
感動、という言葉では言い尽くせない思いが込み上げてきた。
会場横の駐車場には「○○高校」と書かれたトラックもあったし、△△高校鹿舞部とプリントされたTシャツ姿の若者の姿もあった。
伝統芸能が身近な存在として受け継がれている様子に直に触れることが出来て、それが何より嬉しかった。
道の駅みずさわ
まだまだ名残惜しかったが、翌日からはまた仕事。
午前の部の鬼剣舞を堪能した後、夫と共に帰路についた。
「どこかでお昼食べようか?」
「そうだね。何か軽いものでいいな。途中に道の駅とかあったっけ?」
「水沢の道の駅あるから寄る?」
「いいね、フードコート無かったらお弁当でもいいし。」
そんな会話を交わしつつ途中で車を停めたのが、奥州市の「道の駅 みずさわ」。
1階が地元の特産品や野菜、お土産物などを販売する交流館。2階がレストラン。
せっかくなのでレストランで軽くラーメンかうどんでも、と思って中に入りメニューを見ると、「きのこおろし蕎麦」と「奥州牛入りすいとん」という魅力的な品が。
私が蕎麦、夫がすいとんを注文。
これがどちらも予想以上の美味しさ。きのこたっぷりの蕎麦も美味しかったが、奥州牛入りのすいとんには出汁にも牛肉の旨味がたっぷり溶けていてたまらない美味しさ。
大満足のお昼になった。
世嬉の一酒造で酒蔵見学
温泉でリラックスし、伝統芸能を堪能し、お腹も満たされ、さぁいよいよ今度こそ本当に帰路に。
と思ったのだが。
「一関に酒蔵あるよ。見学出来るっぽいよ。」
「行こう。」
立ち寄らずにいられるはずもない。
岩手県一関市の「世嬉の一(せきのいち)酒蔵」さん。日本酒はまだ飲んだことが無かったのだが、クラフトビールも醸造しており、そちらは我が家でもこれまでに何度か飲んだことがあった。
まずはショップで日本酒を購入。
そして、酒蔵見学。
酒蔵の見学は有料だったのだが、これはお金を払ってでも見る価値がある。
見に行って良かった。
ここもまた是非再訪したい。
旅を振り返って
温泉につかってのんびりしよう、との目的だけで訪れた岩手県北上市。
けれど訪れてみると、伝統芸能や素晴らしい博物館など予想外の驚きの連続で充実の旅になった。
加えて帰りに立ち寄った水沢(奥州市)や一関でも美味しいものや嬉しいことの連続。
東北・宮城に来て3年目。これまでに県内の市町村は度々訪れて楽しんできたが、隣県の岩手にはまだまだ私の知らない魅力的な場所や伝統芸能がたくさんあるのだとあらためて実感した二日間だった。
好きな場所がまた増えた。
北上市も、奥州市も、一関市も、また是非行きたいと思う。