石川の日本酒と、石巻の能登応援Tシャツのこと
昨夜の晩酌風景。
宮城県産のイシモチの塩焼き
宮城・雄勝産のワカメとツナのサラダ
宮城県産の大根と鶏むね肉とたまごの煮物
北海道産のカレイのヒレの唐揚げ(ピボットさんのお惣菜)
イシモチは、前日に頭とワタを取って塩を振り冷凍しておいたもの。
冷凍してしまうと生のイシモチをそのまま焼いた時のようなふわっふわの柔らか食感と風味は無くなってしまうけれど、代わりに塩で旨味がぎゅっと凝縮される。干物のような味わいで、これもまた美味しい。
カレイのヒレの唐揚げは、仕事帰りに立ち寄ったスーパーマーケット「Pivot(ピボット)」にて購入。居酒屋メニューのカレイの唐揚げにヒレの部分が添えられているものは食べたことがあるが、これほど大きなヒレを単独で唐揚げにしてお惣菜として販売しているのは初めて目にした。
カリカリというよりもガリッガリ、あるいはパッキパキの食感に、濃い目の味付け。
美味しい。
これはおかずではない。完全に、おやつだ。酒のつまみだ。
結果、こうなる。
昨夜ピボットで見つけたのは、石川県白山市 小堀酒造店さんの純米酒「萬歳楽」だった。
ラベルには「石川県能登半島地震 復興応援酒」とあった。
これまで長い間、特に東日本大震災以降は地元・宮城や東北のお酒を味わうことの多かった我が家だが、今年に入ってからは石川県のお酒を買うことが多く、飲むたびにその美味しさに魅了されている。
しかも、今回は復興応援酒。
買わない理由が無い。
購入し、冷蔵庫できりりと冷やして早速いただく。
いつものお気に入りの大堀相馬焼の御猪口に注ぐと、ほんのりと黄金色。熟成酒のような色と香りである。
初めてのお酒。夫婦で同時に味わう。
「・・・美味えぇぇぇ~!」
二人同時に声が出た。どっしりとした米の旨味。それでいて甘すぎず、すっとした口当たり。これは美味い。食事をより一層美味しくしてくれる食中酒である。
焼き魚にももちろん合うのだが、昨夜は大根の煮物との相性が抜群だった。
地元の魚や野菜と、石川のお酒で、昨夜もささやかながら幸せな晩酌のひと時を過ごした。
偶然ではあるのだが、昨日、私が来ていたTシャツもまた能登半島支援のグッズだった。
こちらのTシャツは、1月の能登半島地震以降、現地での炊き出しを継続している宮城県石巻市のラーメン店「麺屋丸宮」さんと和食店「割烹滝川」さんが、支援活動のために共同で製作・販売を開始したものである。
私と夫がこのTシャツを購入したのはつい先日。
「麺屋丸宮」さんでのことだった。
「麺屋丸宮」さんは、人気店の多い石巻市内でも特に人気の高いラーメン店である。
以前から夫おすすめのラーメン店だったのだが、あまりの人気ゆえに駐車場に車を停められず断念することも多く、私がお店を訪れたのは今回が2度目だった。
前回は、義母と夫と3人での訪問だった。初めて食べて感激した。大人気にも納得の美味しさだった。小食のため外食先では完食出来ないことの多い義母も、こちらのラーメンは私や夫と同じペースでぺろりと完食していた。そのくらい食べやすくて美味しく、スープまで全部飲み干してしまうラーメンだった。
こちらのお店の方が、女川町の出身だったと知ったのは、初めて足を運んだ日から数日後のことである。
その後、こちらのお店が能登半島への支援活動を継続するためにTシャツを製作・販売されていることを知った。
初めて訪れた際にも、こちらのお店が能登半島での炊き出し活動を行っていることは、お店に貼られた経過報告で目にしていた。
ラーメン美味しいし、能登の支援も出来るんなら、行くよね。買うよね。
と、夫婦で相談したわけでもないのに夫も私と同じことを思っていたようで、二度目の訪問となった今回は、混雑を避けて開店直後の空いている時間を目掛けて足を運んだ。
極上のラーメンを味わい、カッコいいTシャツを夫婦お揃いで購入し、帰路に着いた。
今の自分には、能登に直接足を運んで支援活動に携わることは出来ない。
仕事として行く機会があればありがたいとは思うけれど、今の自分にはまだ、復興の現場で役に立てるだけの技術や能力は無い。
それは、先日、仕事を通じて実際に現地で復興に携わってきた人達の報告を見て、あらためて実感した。
ならば、自分は自分に出来ることを続けようと思う。
毎日しっかり働いて、稼いで、支援しよう。
そのために、毎日美味しく食べて飲んで、元気に生きよう。
能登支援のTシャツと石川県の美味しいお酒に、そんな思いを新たにした夜だった。
さぁ明日も頑張ろう。自分は自分の仕事を。