気仙沼・唐桑の炙りほやと、思い出の辛子漬
昨夜の晩酌風景。
宮城県気仙沼市・唐桑産の炙りほや
宮城県産のきゅうりの辛子漬け
千葉県産の生カツオの刺身
宮城県松島産のトマトとチーズのサラダ
宮城県石巻産のほうれん草のおひたし
お惣菜のオニオンリング
カツオの刺身は残業帰りに立ち寄ったスーパーで値引きシールが貼られていたもの。申し訳ないくらい肉厚で美味しかった。三陸の海の幸も美味しいが、千葉や茨城の海の幸もまた美味しい。
松島産のトマトも甘くて美味しい。今回はやや厚めの輪切りにして塩と粗挽き胡椒を振り、ちぎったスライスチーズをのせてからオリーブオイルをかけていただいた。これにバジルが入ればカプレーゼ。バジル無しでも美味しいけれど、最近は福島県産の美味しいハーブをスーパーでよく見かけるので今度買ってきてカプレーゼも試してみたいと思う。
お惣菜のオニオンリングは「サワークリームのオニオンリング」という商品名を見てほぼ衝動買い。時々無性に食べたくなるものの体重を気にしてガマンしているポテトチップスの某商品を思わせる味が嬉しい。これが毎日だと飽きるのだろうが、たまにはこういうジャンキーなツマミもいい。
そして、メインは久しぶりのホヤ。
それも、唐桑産の「炙りほや」である。
週末に夫婦で買い出しに出かけた際に買ってきた一品。
蒸しホヤは良く見るが、炙ったホヤの加工品は初めて見た。生ホヤは鮮度が命だが、加工品ならば日持ちするのもありがたい。しかも、唐桑産とくれば食指が動く。買って帰り、冷蔵庫に保管しておいた。
前日は夫婦そろって残業で疲れ果てて、予定前倒しの休肝日にしていた。この日も夫婦揃って残業ではあったのだが、週の後半に向けて体力回復のためちょっとご褒美晩酌にしようとホヤを取り出した。
炙られてぎゅっと締まったホヤは、真空パックから取り出すとほんのりと独特の磯の香りがするものの、臭みはほとんど感じない。
半分に切り、きゅうりの辛子漬けとともにいただく。
気仙沼のホヤにはこれでしょうと冷蔵庫から取り出したお酒は、先日買ってきた岩手県のお酒。
「これ美味いね!」
「美味しいね!!」
夫婦揃って声が出る。
甘味たっぷりの生のホヤとはまた違った美味しさ。炙ったことで旨味がぎゅーっと濃縮されている。海産物が苦手な人には濃厚すぎる味わいかもしれないが、ホヤ好きにはたまらない美味しさである。
(ちなみに、ホヤが苦手という方には、いつか是非旬のとれたてのホヤを生で味わっていただきたい。新鮮なホヤは臭みも何もなくぷるんとした舌ざわりで、その甘味と旨味に驚かれることと思う。)
もちろん、日本酒との相性も抜群。
唐桑の海の幸、というのがまた嬉しい。
気仙沼の唐桑半島は、私にとっては宮城県に移住してくるよりも前から思い入れのある土地。
以前にもnoteに書いた「ほぼ日刊イトイ新聞」を通して知った場所である。
「きゅうりの辛子漬け、ホヤにも合うな」
夫が言う。
我が家でホヤを食べる際は大葉を添えるのが定番なのだが、昨夜はきゅうりの辛子漬けを添えてみた。
洗って水気を拭き取ったキュウリをジップロックに入れ、市販の辛子漬けの素をまぶして常温でひと晩放置するだけで、美味しく漬かるのがありがたい。
辛子漬けの素を使ったことが無かった私にこれ教えてくれたのは夫なのだが、結婚前、まだ一人暮らしをしていた夫にこの辛子漬けを教えてくれたのは、高校時代からの親友のお母様だという。
夫にとっては、もう一人のおかあさんのような存在だった。
今はもう、私の母や義父と同じところに行ってしまった方。
夫は何も言わないけれど、夫にとってはこの辛子漬けも思い出の味なのだろうな、と、作るたびに思う。
嬉しいことも悲しいことも飲み込んで、それでも食べて生きてゆく。
食べることは、生きること。
昨夜もいろんなものに心の中で感謝しながら、美味しくて幸せな晩酌のひとときを過ごした。