太刀魚!マンボウ!ホウボウ!
本来であれば、8月10日からの三連休の間は、石巻の義実家に滞在予定だった。
しかし、この台風接近。
当初の予報では石巻直撃の可能性もあった。夫の仕事の都合上、連休明けには帰宅しなければならない。ならば、義母も一緒に、と義母にも相談したのだが、大丈夫、石巻の家が良いという。
「何かあったら2階にいるから大丈夫!」
そう力強く言われると、確かにそうかも、とも思う。
石巻の義実家は、河川から離れている。にもかかわらず東日本大震災の時の津波によって大規模半壊の被害を受け、住むことが出来なくなったのだが、取り壊して建て直す際には、1メートル以上嵩上げしている。津波に備えて建て直したので、建物も頑丈である。
一方、仙台市郊外の我が家は、築20数年の賃貸物件。しかも、見晴らしの良さに惹かれて選んだ高台のその場所は、大雨の度に警報が出される災害危険区域である。避難させるつもりが危険に巻き込みかねない。
結果、昨日は義父のお墓の掃除とお参りを済ませたら、仕事を気遣ってくれる義母の言葉に甘えて予定を早めて帰路に着くこととなった。
「雨になる前に、こっち(石巻)で食材まとめ買いしておこうか?」
「そうだね。冷蔵庫、空にして出てきちゃったし。」
夫とそう話しながら立ち寄ったのは、石巻のヨークベニマル。
「仙台のスーパーでは買えないような魚、買って帰るべ」
と、夫。
「そうだねー。でも、最近、仙台でもいろんな魚買えるし・・・うぇ?うぉぇぇぇえっ?!」
驚愕する私。
しかし、夫は驚きもせず、
「あ、マンボウ」
買ってきたのは、こちら。
鮮魚コーナーでお買い得になっていたのは、太刀魚とホウボウ、そしてマンボウだった。
すべて、石巻産。
3点合わせても、税込で千円以下。
購入し、帰宅。
昨夜の晩酌風景は、こうなった。
宮城・石巻漁港水揚げの太刀魚の塩焼き
宮城・石巻漁港水揚げのマンボウの酢味噌和え
石巻の義実家の焼きナス
石巻の義実家のトマトとチーズのカプレーゼ風
山形・尾花沢のぺちょら漬け
マンボウを調理するのはもちろんはじめて。けれど、以前岩手の釜石を訪れた際に居酒屋でマンボウの酢味噌和えをいただいて美味しかった記憶があった。
ネットでレシピ検索。
そして初めてのマンボウ調理スタート。
まずは、よく洗ってから手で裂く。簡単に裂けることにビックリしつつ、小鍋に湯を沸かす。沸いたら、裂いたマンボウを熱湯にどばっと投入し、1分ほどさっと茹でてすぐに氷水にとる。しっかり冷やしてからよく水気を切り、味噌大さじ2、砂糖大さじ1、酢大さじ1をよく練り合わせた酢味噌と和えれば、マンボウの酢味噌和えの出来上がり。
「美味!」
「超美味いっ!」
味は、鶏ささみのよう。臭みは一切なく、食感は魚とイカの中間のような感じ。
酢味噌との相性、抜群。
太刀魚はもう、我が家の定番。
初めて仙台市内のスーパーで見た時は「え?太刀魚?食べるの?食べていいの?水族館で育てるんじゃ無く???」と戸惑ったものだが、今では大好物である。
今回も塩焼きに。
こちらも、美味い。
ちなみにホウボウは買ってきた翌日の晩酌で唐揚げにした。
台風に不安を覚えながらじっと自宅に篭る二日間だったが、石巻の魚のおかげで、ひととき不安を忘れ幸せな晩酌を過ごすことが出来た。
それにしても、
宮城に来るまで、私はホウボウを知らなかった。
まして、太刀魚とマンボウを晩ごはんのおかずにする日が来るとは思わなかった。
食文化は、面白い。
そして、その土地ならではの魚や食材は、美味しい。
これからも、美味しく食べて、楽しく暮らしてゆこう。
まだ台風は通過せず。
被害が広がらないよう祈りながら、今も大雨の中で過ごす皆様の無事を願っています。
皆様、どうか、ご安全に。