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【フードエッセイ】みやぎ水産の日まつりからの、幸せ晩酌♪

 2024年2月15日(木)から2月18日(日)までの期間、JR仙台駅2階ステンドグラス前の催事会場において宮城県内の水産加工品を販売する「みやぎ水産の日まつり」が開催された。


 以前にもnoteでご紹介したが、「みやぎ水産の日」とは、宮城県内で獲れるおいしい水産物や水産加工品を県民に広くアピールし消費拡大につなげるために、宮城県が平成26年11月に制定したものである。水曜日の「すい」と第3の「さん」をかけて、毎月第3水曜日が「みやぎ水産の日」とされており、この日は各スーパーでも幟が掲げられ地元の魚や各種水産加工品の特売等が催されている。

 今回の「みやぎ水産の日まつり」は、PR活動の一環として宮城県と宮城県水産加工研究団体連合会の主催により開催されているもの。
 我が家にも広告がポスティングされてきており、出店内容を見れば興味深く美味しそうな品々ばかり。さらに水産加工品だけでなく我が家のお気に入りの日本酒専門店「むとう屋」さんも出店されているとのことで、最終日の2月18日に夫婦で出かけてきた。

 まず最初に足を運んだのは、亘理町荒浜「あらはま海苔」さん。
 

 真っ先に目に留まったのは特産の釜あげしらすだったのだが、その横に生海苔も並べられていた。

 「生海苔って食べたことある?」

 夫に尋ねたところ、首を横に振る。石巻で生まれ育った夫も食べたことが無いとなると、これは貴重なのでは。
 立ち止まって顔を見合わせる我々に、お店の方が

 「生海苔、今の時期しか無いんです。」

と声をかけてくれた。聞けば、生海苔の収穫時期は4月までだという。

 「それ、今朝採ったばかりですよ。美味しいですよ。洗ってそのまんま食べられます。」

 奥にいた男性の店員さんが笑顔で教えてくれる。
 
 「じゃあ、しらすと生海苔、1パックずつください!」
 「ありがとうございます!生海苔の料理の仕方書いたメモも入れときますんで、良かったら試してみてください。」
 「ありがとうございますっ!」 

 こんなふうに生産者さんと直接話しながら買い物が出来るのは、催事ならではの楽しみのひとつ。
 嬉しい。

宮城県亘理町 あらはま海苔さんの「釜あげしらす」と「生海苔」


 次に目に留まったのは、クジラの販売コーナー。
 今回出店していたのは、石巻・鮎川浜の鮎川捕鯨さんだった。


 冷凍のクジラ肉にも惹かれたが、驚いたのは鯨缶の安さ。2個で600円。普通ならあり得ない価格である。

 「賞味期限が近いんでお安くしてるんです。でも、今が一番味がしみて美味しいんですよ。」

 こちらの店員さんも明るく元気いっぱいのご婦人。港で買い物をしているような嬉しい気分になる。

 「ですよねー!クジラ好きなんです。」

 私の言葉を補足するように、夫が「結婚指輪もクジラなんです」と指輪を見せると店員さんは驚きの表情。

 「わぁ凄い!クジラの歯ですか?」
 「そう。ホエールランドで買ったんですよ。」
 「ステキですねー!」
 
 会話を楽しみながら、こちらのお店では「つち鯨の大和煮」缶詰を購入。
 鮎川捕鯨さんの船は、これから北海道にも向かうという。海で生きる人達の繋がりに嬉しくなる。また鮎川にも行きますねと話しながらお店を後にした。

宮城県石巻市鮎川浜 鮎川捕鯨さんの「つち鯨の大和煮」


 続いて、いつもの「むとう屋」さんへ。
 今回は燗酒用に美里町の川敬商店さんの「黄金澤」を買おうと足を運んだのだが、社長さんが気仙沼の男山本店さんの法被を着ていたのを見て、男山さんの「蒼天伝 特別純米酒」も購入。
 ちなみに我が家では、日本酒の購入は家計とは別支出。互いのお小遣いから購入し、飲み比べすることにしている。
 催事での買い物の前に夫が仙台駅1階のむとう屋さんの店舗で2本買っていたので、私もこちらで2本。
 これで、一週間は持つ筈。
 多分。
 

 買い物を終えて帰宅。
 月曜からの激務に備え、この日はまだ明るいうちからのんびりと飲み始めた。

日曜日の食卓。まだ明るいうちから呑み始める。
ちなみにこの前にベランダでビールも飲みました。
生海苔のポン酢がけと、釜あげしらすのおろし和え
どちらも絶品
生海苔は口の中でシャキシャキと音を立てる食感も楽しく味わいも濃厚
しらすは旨味たっぷりで塩味も程よく醤油不要の美味しさ
買い置きしてあった千葉県産のメザシ
青森県産のごぼうと宮城県産のにんじんのきんぴら
鮎川捕鯨さんの「つち鯨の大和煮」
大和煮はこれで缶詰1個分 思ってた量の倍くらい入っててビックリ!
しかも美味しい!
むとう屋さんの催事で買ってきた気仙沼・男山本店さんの「蒼天伝 特別純米酒」
さすが港町のお酒 海の幸との相性抜群の美味さ


 全部美味しかった。
 日頃から海産物を食べることの多い我が家ではあるが、こうした催事では日頃あまり目にすることのない水産加工品との出会いがあるのがありがたい。

 しらすは、ちょっと贅沢して翌日のお弁当の卵焼きにも入れてみたところ、予想以上の美味しさだった。

月曜日のお弁当

 そして、生海苔。
 お店でいただいたメモに記されていたおススメ料理の中には「生海苔の天ぷら」があったのだが、海藻の天ぷらは以前チャレンジして失敗したことがあるのでちょっと怖気づいてしまう。
 そこで、今回はチーズと一緒に春巻きの皮で包んで揚げてみた。

亘理町荒浜産の生海苔とチーズの春巻き
(1個爆発しているのは見なかったことにしてください)

 生海苔をザルに入れて水道水でさっと洗い、しっかり絞って水気を切ってからざく切りにして8等分しておく。
 チーズは、おつまみ用のベビーチーズ。春巻き8個分に入れるチーズは4個だけ。チーズを包丁で縦半分に切ったら、先ほどの生海苔と一緒に春巻きの皮で包んで揚げるだけ。チーズも生海苔もそのままで食べられる食材なので、中まで火が通るようにとじっくり揚げる必要は無い。

 「美味ぇぇぇぇぇっ!!!」

 夫、大絶賛。
 思い付きで作ったのだが、これが簡単な上に美味しくて、作った私自身も驚いた。チーズと生海苔の相性は抜群。しかも、春巻きにしたことでサクサクトローリ食感も楽しい。
 天ぷらを揚げるのが得意だったら、このメニューは思いつかなかっただろう。
 何が幸いするか分からない。
 だから料理は面白い。

 

 これからも、生産者の方々に感謝しながら、料理と食べることを楽しんでゆこうと思う。

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