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いわしレモン缶でペペロンチーノ

 ここ数年、これまではお手頃価格で食卓でもお馴染みだったサンマや鮭、イカが不漁だというニュースを目にすることが多かった記憶がある。
 そして最近は、サバが不漁だという。
 気象条件の変化や各国の水産資源の漁獲高等、不漁の原因には様々な見解があるようだが、その理由はどうであれ、決まったメニューを提供しなければならない飲食業界や加工業の方々は、本当に大変な苦労をされていると思う。

 でも、すべての海産物が獲れないわけではない。
 ならば、魚好きの一般消費者である自分に出来ることは、今あまり獲れていないお魚を無理に求め歩くことじゃなく、今沢山獲れていて手に入るお魚を買ってきて、感謝して美味しくいただくことだと思う。
 今は、イワシ。

(イワシのフライ)

 最近の我が家の食卓には、イワシが頻繁に登場している。
 これまではイワシの干物を焼いて食べることが多かったが、最近は生のイワシが格安で店頭に並んでいるので、それを買ってきてフライにすることが多い。
 フライといっても、開いたイワシは薄いので、たっぷりの油で揚げなくても少ない油で「揚げ焼き」風に調理出来る。我が家では、市販の唐揚げ粉で薄く下味をつけてから、溶き卵をくぐらせパン粉をまぶしてフライパンで揚げ焼きにしている。イワシ2匹分なら、油の量は大さじ1.5~2くらい。
 とても美味しい。
 食費も節約出来るので家計も大助かり(^^;


 でも、家庭ではこうして今あるお魚に切り替えて食べれば良いけれど、先述のとおり、飲食業界や加工業の方々は本当に大変だと思う。
 メニューや生産ラインを今たくさん獲れる魚だけにすぐにシフトすることは難しいのだろうし、何より、今までたくさん撮れていて人気・定番商品だったものが、原材料が手に入らなかったり価格が高騰してしまって販売できなくなるのは、経営そのものにも影響する大きな痛手だろう。
 魚好きの一人として、美味しいものを提供してくれているお店や企業の苦境のニュースには胸が痛む。

 
と思っていたところ、つい先日、こんなニュースが目に留まった。

 東京のパン店「onka(オンカ)」さんが、宮城県石巻市の「木の屋石巻水産」のサケの缶詰とイワシの缶詰を使ったサンドイッチを提供するとのニュース。(販売は3/11、12で終了)
 こちらのお店では、以前は同じ木の屋石巻水産のサバの缶詰を使用していたという。
 上記の記事の中で、onka店主の下山亜紀子さんは、経緯を下記のように語っている。

「木の屋の缶詰は刺し身にできる鮮度で手詰めしているのが特徴で、とてもフレッシュで魚が苦手な人にもお薦め。今季は記録的なサバの不漁でサバ缶の製造が難しくなったと聞いた。しかし、こんな時こそサバ缶以外の缶詰に注目して、買って、食べて、石巻にお金を回していきたい」

2023.3.11付「経堂経済新聞」の記事より

 こういう取り組みは、本当に素敵だと思う。
 こちらの記事で紹介されているサンドイッチの提供はすでに終了してしまっているけれど、いつか東京に行く機会があれば、こちらのお店のパンを買いたいと思う。

 ちなみに、木の屋石巻水産のホームページはこちら。

 先に紹介した記事の中でも触れられていたとおり、木の屋石巻水産さんも、東日本大震災で大きな被害を受けた企業のひとつ。
 地元の方々にとっては街のシンボルのひとつでもあったという木の屋さんの大きな鯨缶のタンクが津波の被害を受けて横倒しになっている写真は、当時まだ宮城県民では無かった私も目にして衝撃を受けたのを覚えている。
 私がこちらの商品を購入するようになったきっかけも、最初は震災復興応援の気持ちからだった。
 けれど、一度口にしてその美味しさを知った今では、「ちょっと高くても美味しいから買う、お気に入りの逸品」になっている。
 定番商品の鯨大和煮が美味しいのは勿論なのだけれど、サバ缶も絶品!
 大きなサバがきれいにギュッと詰められていて、水煮、味噌煮どちらも美味しい。
 木の屋さんのサバ缶は、テレビ等でも取り上げられている人気商品なので、震災復興の話題抜きにご存知の方も多いと思う。

 木の屋さんをはじめ、水産加工業者の方々にとっても、最近のサバ不漁の影響は計り知れないものがあると思う。
 けれど、先ほどの記事にもあるとおり、サバ缶だけが缶詰じゃない。美味しい缶詰は他にもたくさんある。
 今、サバから生産量をシフトして、美味しいイワシ缶詰をたくさん作ってくれているのならば、イワシ缶詰を積極的に美味しく頂こう。

 というわけで、

 早速、先ほど紹介した記事の中のサンドイッチにも使用されていた、木の屋石巻水産のいわしレモン缶。
 美味しい!
 新鮮なイワシと、ほんのり苦みの残るレモンの美味しさのバランスが絶妙。レモン風味なのにごはんにも合うし、勿論、酒のつまみとしても最高。
 そのままで美味しい缶詰なのだけれど、2個買ってきたのでせっかくだから1個はアレンジもしてみようと思い立ち、ペペロンチーノを作ってみた。

(ペペロンチーノ2人分で、いわしレモン缶1個使用しています)

 我が家では、リュウジさんの「至高のペペロンチーノ」のレシピでいつもペペロンチーノを作っている。美味しい上にフライパンひとつで作れるので洗い物も少なくて大助かり。

 今回は、こちらのレシピの最後の「追いオリーブオイル」の代わりに、いわしレモン缶を汁ごと投入して合えてみた。

 びっくりするくらい美味しかった!

 大袈裟じゃなく、ホントにビックリした。
 いや美味しいペペロンチーノの上に元々美味しい缶詰をのせたんだから、そりゃ美味しいだろうと言われてしまえばそれまでなのだけれど。
 このペペロンチーノを作るためにいわしレモン缶をまとめ買いしたい衝動に駆られている。(次に石巻に行ったらまとめ買いしてしまうだろうな、多分。)
 お店の関係者でもなんでもないのだけれど、これは本当におススメしたい。

 サバの不漁がこの先どのくらい続いてしまうのかは分からない。
 この先、美味しいサバ缶が食べられなくなると困るなぁ、という思いもある。
 けれど、先のことを思い悩むよりも、まずは今あるものに感謝して、残さず美味しくいただきたいと思う。
 何より今、たくさん獲れているイワシを美味しく提供してくれているお店や企業の方々には、心から感謝したい。

 

 

追記
これまでにnoteに書いてきた、好きなお魚も良かったらどうぞ(^^)


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