見出し画像

#30 ジャパニーズメイド メイド イン ジャパン 〜日本人女性がメイドとして海外で働いて外貨獲得〜

【30日目】食事を作り、家を清潔に保ち、丁寧に洗濯して服という財産をキープ。手を動かすことでしあわせを創り出すことは豊かさそのもの。それが義務になると苦しいけれど、高いレベルの豊かさを軽やかに創り出せる日本人は、自信を持っていいと思う。【本帰国まであと70日】

 私が出会った中華系シンガポール女性の中には、日本人男性と結婚したいという人がけっこういる。

 どういうわけか、その中の8割はARASICK(=アラシック。嵐の大ファンを指す)で、日本人男性と結婚すれば、手軽に日本に住めるから、嵐のおっかけが出来ると言う人もいた。

 たしかに、日本に住むためにはいちばん手軽で合理的な方法だとは思う。

思う。思うのだが・・・。

 嵐のポスターの股間に頬ずりしたり、土下座したりしているごく一部のファンを見て、世も末だと思ったが、さらなる末を見た思いだった。

 いや、嵐のオリキ目当ての外国人女性を嫁にもらうのも、なかなかオツなものなのかもしれない。

 なんでもすぐにネガティブな考えに結びつける癖はよくない。

 奥さんが嵐のオリキでハッピーならば「ハッピーワイフ、ハッピーライフ」ではないか。


 それはさておき、一般的に言って、中華系シンガポール女性と日本人男性の結婚は、あまりうまくいかないと思う。

 理由はさまざまあるが、いちばんは中華系シンガポール女性が家事全般を苦手にしていることにあると思う。

 日本人男性は生活文化的な背景から、配偶者に家事能力を期待する人が非常に多い。

 これは彼女たちにとってもコンプレックスであるらしい。

「味噌汁を作れないと、日本人男性とは結婚できないんでしょう? 作れるようになりたい。駐妻Aはどうやって作っているの?」

「シンガポールでは材料が高いし、手間もかかるから、日本から持って来た粉末のだしを使っているよ。だしは特別なものを三種類使うし、味噌も日本から持って来てるんだよね。」

「味噌も日本から持って来ているの?! 明治屋とか伊勢丹とかドンキーに行けば、たくさんの味噌が売っているのに。」

「シンガポールで50以上は味噌を見たけど、夫が好きなのは売ってないの。だしと味噌は、地域や家庭で使うものが違うからね。もし、日本人男性が喜ぶお味噌汁を作ってあげたいなら、だしと味噌のリサーチがマストだね。お・も・て・な・し。」

「Nooooo!」

 生ぬるいことを言うよりも、はっきりと思うところを言った方が喜ばれるので、いささか怪しい英語ではあるが、頑張る。

「食事の支度に対する日本人男性の要求レベルは、基本的に高いよ。ドラえもんとか、クレヨンしんちゃんとか、見てるとわかると思うけど、専業主婦は食事の支度がしっかりと出来ることが当たり前だからね。そういう母親に育てられている人が多いから。でも中華系シンガポールの女性は、外食文化で料理に慣れていないでしょう? だから、食事の支度に期待をしない日本人男性を見つけた方がいいと思う。」

「・・・そういう日本人男性はいるの?」

「いると思うよ。でもまあ、そんなに多くはないかもしれないね。」

 

 こういう話をしていると、あたたかい食事を手早く作って心身をいやし、住居を清潔に保って健康や肌を害虫から守り、洗濯ネットや各種洗剤を使って丁寧に洗濯して服という財産をキープするという、専業主婦の仕事は尊いと思う。

 このような高いレベルの豊かさを軽やかに創り出せる、多くの専業主婦の日本人女性は、自信を持っていいと思う。

 しかし、このような高いレベルの家事能力を持っているのにもかかわらず、日本人女性がメイドとして働くことは、シンガポールでは基本的に許されていないのだそうだ。

 もったいないことだと思う。

 どうしても日本人男性と結婚したい中華系シンガポール女性が、日本人メイドを雇えたら、双方Win-Winどころか、三方四方がWin-Win-Win-Winだろう。

 近い将来、日本の女性がメイドとして、海外に働きに出る時代が来るかも知れない。

 母親の家事を見て育っているから、若い女性でも自然で好ましい家事が出来る人が多い。いまでは早期英語教育も始まっているから、英語も話せれば、日本人メイドに勝てる外国人メイドはいないと思う。

 Make Japan as No.1 again! 

 今から、海外の富裕層に仕えるメイドの専門学校でも作ればいいんじゃないだろうか。

 東南アジアからの留学生も期待できるかもしれない。

 栄養学、パーティー料理、ワインの知識、ペットの世話、刺繍技術、子どもの教育管理などなど、完璧に学習しておけば、月給1,000万円でも欲しいという富裕層はいるだろう。

 ジャパニーズメイド メイド イン ジャパン。 

 外貨獲得のために、日本人女性が海外に出稼ぎにいく時代が来るのであれば、それに備えておくのも悪くないだろう。

 私もこっそり準備しておきたい。



いいなと思ったら応援しよう!