#24 Aromaticが止まらない。
【24日目】夫が在宅勤務になり、コーヒー豆を定期的に届けてくれるお店が出来た。3軒ほど試したが、いずれも煎りが浅いので、フライパンで追焙煎。2ハゼに入っても、まだまだ追い込むスタイル。街のカフェチェーンはだいたい豆が古いので美味しくはない。【本帰国まであと76日】
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酸っぱいコーヒーが苦手な夫婦である。
ゴリゴリの深煎りで、芳醇なアロマの漂うコーヒーこそが、我々夫婦にとっての正義。
残念ながら、そのようなコーヒー、およびコーヒー豆にはなかなか巡り会えないシンガポール。
コロナ禍でソフトロックダウンに入り、日本から買ってきた豆が尽きたので、浅〜中煎りの豆をフライパンで追焙煎することにした。
シンガポール国内には、コーヒー豆を配達してくれる焙煎屋がいくつかある。真面目に商売しているところばかりだ。しかし、
「うちの豆は深煎りだよ!」
と言っていたはずの豆が、明るい茶色で、表面が乾いている。どう見ても、浅煎りか、よくても中煎り程度だ。
彼らと我々では、煎りに対しての認識が違うのである。
深煎りというのは、褐色で、テカテカしていなくてはならない。
コーヒー豆焙煎YouTuberのハマさんという方の動画に出会った。
「コーヒー豆は生鮮食品。煎りたてでなければ美味しくない。」
という哲学の持ち主であるハマさんは、片手鍋で生豆から煎る方法を惜しげも無く公開してくれている。
動画を参考に、2ハゼに入ってからも、まだまだ追い込むスタイルで、理想の深煎りを実現。
うっとりするような深いアロマ。
我々夫婦にとって、パーフェクトなコーヒーを楽しめる毎日が実現したのである。
ここまで深煎りにすると、冷蔵もしくは冷凍保存にしなければ、表面に浮いた油が酸化していく。
焙煎屋としては、保存場所の確保がむずかしいので、やりたくないのかもしれない。
何煎りであろうが、焙煎したての豆を届けてくれれば、それで十分である。
コーヒー豆専門店から取り寄せる前は、某人気チェーン店の深煎り豆を買っていた。
細かく砕け、炭のようになったクズ豆がいっぱい入っていて、焙煎した日も記載されていない代物には、怒りよりもまず衝撃を受けた。
豆で買ったことのない人は、知らない衝撃である。
コーヒーは買って飲む方が、味はともかく、しあわせなのかもしれない。
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