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生命の自覚~よみがえる千島学説〜

no+eをご覧いただきありがとうございます。

今回は、日々健やかに生きていくうえで示唆に富んだ書籍「生命の自覚〜よみがえる千島学説〜」をとりあげます。


1.はじめに

3年間に及んだコロナ騒動が終わりました。この騒動に疑問を感じ、さまざまな本を読んで自ら考え、いままで知らなかった新たな知見を得た人も多いのではないでしょうか。

僕がこの騒動で学んだもっとも大切なことは、自分の人生を誰かにあずけてしまわないということです。自分の健康に責任を持ち、病気を誰か他人のせいにしないこと。そのことを考えているうちにたどり着いたのが千島学説です。


2.細胞と血液について

生命の正体は血液である

生物は細胞でできています。その細胞はもともとは何だったかというと、血液でした。細胞は細胞ではないもの=赤血球から新しく生まれるということを発見したのが、生物学者の千島喜久男博士(1899-1978)です。

赤血球は細胞に変わり、また細胞は赤血球に戻る。この繰り返しこそが自然の本当の姿であり、この事実は見ようとすればいつでも見ることができる。

忰山紀一「生命の自覚~よみがえる千島学説~」p.67

千島博士は、西洋医学の基礎となる実験の方法そのものに疑問を持ちました。

その方法とは、生物の体を切り取り、その一部分を調べるというもの。この操作そのものが全体とのつながりを切るという不自然な行為で、細胞の本当の姿や働きに対して悪い影響を与えていると考えたのです。

自然のままでは観察できないから、一部の細胞を切り取り、シャーレの上で光を当てる。そうして観察した結果、細胞は確かに分裂して増えている。千島博士は細胞が分裂するという事実を否定はしていません。ただ、人為的な条件のもとでしか観察できないものを自然界にそのまま当てはめてもよいのかということを問題にしたのです。

たとえば、脳細胞は分裂しないことが知られています。それなのに赤ちゃんと大人では大人の方が明らかに細胞数が多い。そして、細胞一つ一つの大きさは赤ちゃんのときより大人のほうが小さくなっています。脳細胞が分裂しないならこのことをどう説明したらいいでしょうか。

細胞は細胞分裂でのみ増殖するというのは事実とは異なります。千島博士は、細胞は分裂もありえるが、あくまでも赤血球が細胞に変わる細胞新生で増殖するという「細胞新生説」を唱えました。

血液は腸で造られる

千島博士は、細胞は細胞から生まれるのではなく、赤血球から新しく生まれるということを発見しました。

赤血球は骨髄でつくられるものというのが現代医学の常識となっていますが、これは1925年にアメリカの血液学者がニワトリやハトを10日間絶食させて骨髄を観察した実験がもとになっています。

千島博士はこの実験に疑問を持ち、ニワトリ、ウサギ、イヌ、ネコ、カエルなどを材料に、栄養状態の良い時と絶食させた時を比較しながらさまざまな実験を繰り返しました。その結果、食べ物の消化物が腸の絨毛に付着し、それが腸粘膜に吸収される過程でアメーバ状になり、やがて赤血球となって血管に流れ込む現象を確認しました。

消化された食べ物が腸の絨毛で赤血球になるというのが、千島博士の唱える「腸管造血説」です。

健康で栄養状態の良いときは、赤血球はすべて細胞に変化します(細胞新生説)。他方、断食や節食、大量出血の後や病気のときなどは、すべての細胞組織は赤血球に逆戻りします。これを「赤血球と組織の可逆分化説」と呼びます。絶食させた動物の骨髄で赤血球が造られるのを観察した実験はこの逆戻りの現象をとらえたものだと言えます。

骨髄造血説は現代医学の基礎知識として無批判に信じられていますが、脊椎のない動物には骨髄がなく、血球は消化器でつくられています。人間を含む脊椎動物の場合、血球は発生初期の段階では卵の表面の絨毛、ついで胎盤の絨毛、生後は腸粘膜の絨毛でつくられているのです。

○ 栄養状態が良いとき:
  食べた物が腸の絨毛で赤血球になり、赤血球が細胞に変化する

● 低栄養の状態や怪我をしているとき:
  細胞が赤血球に逆戻りする

これが千島学説の要となる部分です。


3.西洋医学と医療制度

病原菌は伝染せずに自然発生する

ここまで見てきた細胞新生説、腸管造血説、赤血球と組織の可逆分化説は、西洋医学を主体とする学界で受け入れられることはありませんでした。千島学説はどれをとっても従来の生物学や医学、農学や栄養学とはことごとく異なる見解をとっていたため、主流科学から黙殺されることになったのです。

黙殺された数々の理論の中でも、今日特に重要な意味を帯びているのが、「バクテリア自然発生説」です。なぜなら、この説に従うと新型コロナの感染症対策や医療措置が意味をなさなくなってしまうからです。

西洋医学では、感染症は、細菌、ウイルス、原生動物などの病原微生物に感染して起こる伝染病であるとされています。その伝染病がどのような経路を通って感染したのか明らかでない場合でも、患者の体からウイルスが発見されれば、それはどこかで感染したものと断定されます。

もちろん、はっきりした感染ルートがあり、抵抗力の弱い者だけがその病原菌に感染する場合もあります。しかし、感染症の中には、体が弱っていたり周りの環境が悪化していたりするときに、病原体が体の中に自然発生し、それが同時多発的に広がる場合があります。

千島博士は、何らかの原因で体が弱ってくると細胞や組織が病的になり、その有機物の腐敗からバクテリアが自然発生することをつきとめました(バクテリアの自然発生説)。

バクテリアやウイルスが自然発生するという説は、1943年にフランスの外科医レーリィが、ただ自律神経を強く刺激するだけで伝染病を発生させた事実によっても裏付けされます。しかし、西洋医学は1859年にパスツールが行った実験を根拠にバクテリアの自然発生説を否定しています。

詳しくは本書をお読みいただければと思いますが、パスツールの実験は極めて人為的なもので、生命の本来の姿や働きを示しているとは言えません。

病原菌は病気の"原因"ではなく、細胞が腐敗して病気になった"結果"であるというのが感染症の実態であるかもしれないのに、現代の西洋医学はそのことには向き合おうとせず、バクテリアやウイルスの自然発生説を否定しているのです。

現代医学は人間を無視している

真に科学的な態度とは、現在わかっている事実に目を向けるだけでなく、もし仮説や理論と合わないことが出てきたらそのことに疑問を持ち、あらゆる可能性を排除しない姿勢ではないでしょうか。

しかし、細分化されている現代の学問では、矛盾があったとしてもその学問領域の中だけの議論に終始して、生命についての総合的な知識を得ることを阻害しているように思います。西洋医学がまさにその細分化された学問の典型です。

日本の医師は医師法によって守られています。病気は医師以外が診断、治療してはいけないことになっています。西洋医学の常識に反する東洋医学や民間療法で治療できると称すると、医師の権利を侵したということで処罰を受けます。

しかし多くの医師は、医学のことはわかっても、栄養学の知識はまったく素人ということも珍しいことではありません。食べたもので体ができているのに、健康でありたいという僕たちの欲求に医学は応えてはくれません。

それどころか、開業医は流行りの風邪や感染症で患者がたくさん出たほうが儲かる仕組みになっています。日本の保険制度では、病気を予防するのではなく薬を与えたり手術をしたりする治療行為によって点数があがるようになっているため、医師は必要以上に患者に薬を与えようとします。必要のない薬を飲んだ患者は副作用で病気になってまた医師を頼るという悪循環を繰り返すことになります。

1リットルの血液を失ったら1リットルの血液を補充すればよいというふうに、人間を部品で組み立てられた機械のように考えているのが現代医学なのです。


4.断食の重要性

血液の汚れが病気の原因

血液は骨髄で造られ、細胞は細胞分裂で増える。感染症は伝染性の病原体が原因である。現在にいたるまでこれが西洋医学の常識です。ここまで見てきたように、千島博士はこれとは異なる見解を提示しました。

食べたものが腸の絨毛で血液に変化する。健康な時は血液は細胞に変化する。細胞は分裂によって増えるのではなく、体の中を流れる赤血球が日々細胞に変化していく。病気や怪我をした時は、細胞は血液に逆戻りする。病原菌は細胞が腐敗した結果であり、伝染したものではなく自然発生したものである。

このことを理解すると、がんをはじめとする病気の治療や予防においてもっとも重要なのは、食べるものと胃腸の環境を良い状態に保つことだとわかります。

こうしてみると、健康をたもつ条件のひとつは小食であることだ。考えてみれば、食べ物の量が少なすぎてがんになった人はいない。食べすぎて腸内に消化物がたまり、その腐敗から汚れた血液がたくさんつくられ、それががん細胞に変わっていったと考えられる。

忰山紀一「生命の自覚~よみがえる千島学説~」p.156

食べたものが加工食品や遺伝子組替えなどの不自然なものだったり、添加物や農薬を多く含んでいるものだったり、動物性タンパク質ばかりに偏ったりすると、腸内に腐敗菌が増えることになります。健康な時には赤血球は体のすべての細胞に変化しますが、腸内に腐敗菌が増えると赤血球はその毒素を吸収し、がんなどの病巣細胞に変化します。

これが病気になるメカニズムです。要するに、人間が病気になるかどうかは血液の状態に左右されるということです。

断食は血液をきれいにする

日々健やかに生きていくベースは、血液をきれいにすることと、血液の流れを良くすることにつきます。病気は、血液の汚れと滞りが原因だからです。

血液を浄化するには、腸内の腐敗を減らすことが要となります。そのための有効な手段の一つが断食です。

千島博士はカエルやマウスを材料に実験をして、断食によって腸の絨毛が小さくなり、腸壁が薄くなることを確認しました。さらに、断食によって腸内の寄生虫やバクテリアがほとんどいなくなり、消化器をはじめ体の組織が赤血球に逆戻りする現象が見られたのです。

断食すると腸内の腐敗菌が消え、炎症などの異常を抱えた細胞が血液に逆戻りしていきます。有害なものが血液の中に入って、最終的に便や尿となって体外に排泄されることで、体のすべての組織が浄化されます。それによって細胞組織の恒常性が保たれるのです。

断食は肝臓の機能が低下するといって反対する医師が少なくありません。ただ、これは細胞組織が正常化する過程で起きる一時的な現象であると言えます。

断食をすると肝臓の細胞が血球に逆戻りする。そのとき、肝臓にたまっていた老廃物や有害な物質も肝臓を離れ、血液のなかに入ったり、尿にまじって排泄される。このときに血液や尿の検査をすれば肝臓が衰えたようにみえるわけである。そのまま断食や節食を続ければそのうちに障害はなくなり、結果として肝臓もよくなる。

忰山紀一「生命の自覚~よみがえる千島学説~」p.156

もちろん、むやみやたらに食べるものを減らすと栄養不良となり、体にとって過剰な負荷がかかることになるので危険です。適切な方法で断食をすることが大切です。

断食についてはまた別の機会に記事を書きたいと思います。


5.生命の本質

細胞を再定義する

血液が細胞に変化したり、細胞が血液に逆戻りしたりすると聞くと、にわかには信じられないという人も多いと思います。

細胞というのは、生物のひとつの単位です。中央には1個以上の核があり、その周囲は細胞質に取り囲まれ、外側は細胞膜におおわれています。細胞膜は、タンパク質、脂質、水分などから成り立っていて、必要なものを内側に取り込み、不要なものを排泄します。

細胞は外界とのガス交換(呼吸)もしていて、刺激されれば反応もします。自分で自分を大きくしたり、子孫をつくる生殖能力もあります。これが細胞の定義です。

この定義によると、人間の赤血球は細胞ではありません。人間を含めた哺乳類の赤血球には細胞核がないからです。

逆にウイルスには核だけがあって、周囲に細胞質がありません。その意味でウイルスは細胞とは言えませんが、自分の子を産む能力をもっていることから、生物の仲間と見てもおかしくはありません。

生命は本来、連続性を持っているものです。自然の連続性に対して一線を引き、何が細胞で何が細胞以下であるかを決めているのは、あくまでも人間本位の考え方です。

細胞と赤血球の間に境界線を引き、仕切りを設けた境界領域で自然を眺めているのは、自然の連続性をありのままに見ることができないからなのかもしれません。

千島博士の説は、境界のはっきりしない自然の連続性の一端をとらえることで、生命の本質に迫っているとは言えないでしょうか。

生命の連続性を見つめる

細胞レベルでの転換は、決して荒唐無稽な話ではありません。千島説を裏付ける説の一つに、フランスの理論物理学者ケルブランが唱えた「生体内原子転換説」があります。ケルブランは、微生物は非常に低いエネルギーレベルで原子転換する能力をもっているという事実を提唱しました。

微生物は食品を分解します。人間にとって有益なものを「発酵」、有害なものを「腐敗」と呼んでいますが、これは微生物の原子転換の一例です。

現代の栄養学において、タンパク質と脂質、炭水化物ははっきりと区別されています。タンパク質に含まれる窒素が脂質と炭水化物には含まれないからです。窒素を含まない脂質や炭水化物はタンパク質の代用にはならないと考えられています。

だとしたら、草ばかり食べている動物が筋肉を発達させ、卵や乳を日々生産しているのはなぜなのでしょうか。動物性タンパク質をとらないアスリートや昔の日本人が少量の食事で筋骨隆々だったりするのはなぜでしょうか。

ケルブランの生体内原子転換説で考えると説明がつきます。窒素を含むタンパク質をとらなくても、細胞が原子転換で窒素を作ることができると考えられるからです。

千島博士は、このケルブランの原子転換の説によって、赤血球と細胞の転換についても説明できると考えました。

窒素が含まれる赤血球から窒素が含まれない細胞(脂肪)に転換する場合、体の中で窒素が炭素と酸素に変化したと考えられます。(N→C+O)

逆に、細胞(脂肪)からヘモグロビンや窒素を含む赤血球に逆戻りする場合は、炭素と酸素が結合して窒素になると考えられます。(C+O→N)

原子レベル、細胞レベルともに生命は連続性をもっていて、転換するということが起こりえるのです。


6.最後に

食べたものが血液に変化して細胞になる。きれいな血液が細胞を正常に保つ。だから血液をきれいにするために食べるものの質と量に気をつかう。千島博士の理論を自分なりに解釈した結論はとてもシンプルなものです。

僕は生物学者ではないので、千島学説がすべて正しいかどうかは自分では確かめようがありません。それでも、自然と生命の本質を探究しようとした千島博士の説を知れば、病気のことは医者やAIにまかせておけば良いというふうにはならなくなります。細胞の状態を良くするのも悪くするのも自分の選択次第だからです。

僕たちにできることは自分の生命に責任を持つこと

新型コロナウイルスの病原体は現在も単離されていません。感染の波がいくらやってこようとも、それはPCR検査で特定の遺伝子配列が検出された人が新しい伝染病に感染しているという根拠のない断定にすぎません。

それにもかかわらず、多くの人がコロナに怯え、不安を感じ、ときに怒りを覚えながらこの3年間を過ごしてきました。不安や怒りを感じると、血液は毒素を持ちます。毒素を持った血液が細胞に変化するとき、細胞に異常が現れます。

不安や怒りを手放すのも自分の選択です。僕たちには環境に対してどのように反応するか、選択する責任があるのです。



ここまで読んでくださりありがとうございました。もしよかったら記事をシェアしていただき、機会があったらぜひこの本を手に取って読んでみてください。


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