【コンシューマーインサイトの成功事例】ボーダフォンがエジプト人の心を捉えた作戦とは?
コンシューマーインサイトとは、消費者の行動や態度の背景にある意識を深く洞察すること。
行動に結びつく内面心理を深掘りしたり、行動や購買に結びつくブランドと生活者の共通点や、ライフスタイルなど目に見えないものを解釈することで、新しいインサイトを発掘することを目的としている。
アンケートなどで消費者自身の言葉から出てくるニーズは、すでに表面化されたものであり競合他社も持っている情報の可能性が高い。
一方、コンシューマーインサイトは消費者も言葉にできないような無意識的・潜在的なニーズを発見することにつながるため、新しい製品・サービスの開発や市場の開拓に有利となるのだ。
中近東のローカルインサイトは実に独特。それゆえ、彼らのインサイトをうまく突くことさえできれば、非常に大きな成果を得られる可能性もある。
ボーダフォンがエジプトで実施した「VODAFONE FAKKA」というキャンペーンは、新商品「マイクロ・リチャージカード」(プリペイドカード)の認知が目的だった。
一般的な広告手法ではエジプト人の心を捉えないと判断したボーダフォンは、エジプトにひしめく零細商店(Small Shops)に目をつけた。エジプトの零細商店をくまなく調査したところ、なんと少額のおつりはコインではなく、アメや野菜などで代用する習慣が定着していたのだ。
そこにチャンスがあると考えた同社は、店側と客側のインサイトをあぶりだした。
すると、「正直、わざわざコインを用意する余裕はない」という商店主の主張がある一方で、「正直、野菜とかアメでおつりが返ってくるのは不満だ」という買い物客の本音があることがわかった。
そこでボーダフォンは、マイクロリチャージカードが「おつり」の代用となることを狙ったプロモーションを実施。小さいキャッシャーに収まるようにデザインも工夫し、数千件もの零細企業へ直接働きかけることで、見事に大規模なトライアルと認知を獲得したのだ。
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「ブランディングナレッジベースSINCE.」では、今回のボーダフォンの事例のように企業やブランドのいろいろな成功事例を集めています。先人たちのチャレンジからビジネスに役立つヒントをご紹介しているので、よろしければ是非ご覧ください!
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