デストローイ!
小説版『しんぐんデストロ~イ!』が先日届いた。まさかの帯つきで思わずビックリ。
『しんぐんデストロ~イ!』とは、10年ほど前のスマホ向けソーシャルゲームである。
現在はサービスを終了しているため、有志が残してくださった動画や、小説版くらいでしか摂取できない。
私が存在を知ったときにはサ終済だったため、このゲームに関する知識はほぼゼロであった。
というわけで、お金が貯まったら小説版を買うぞ!と思っていたのに、日々のよしなしごとに染まり、すっかり忘れていた。
それを先日、急に思い出したために、Amazonで購入したというわけである。届くの早いね。
とりあえず1巻を読み終えたので、感想を言います。
いちばんの萌えキャラは、主人公の司令くんだ!
戦績がダメダメな戦車隊の司令官とするべく、異世界の惑星「オリウス」に召喚された主人公。
彼は重度のミリオタで、憧れの軍人の指揮下で戦う夢を見て強く感動したり、地の文でミリオタ知識をたびたび披露したりする。
オリウスには謎の怪獣があわただしく出現している。彼らから街を守るため、クール系美少女アンドロイド・ラティーが兵器や人員を召喚している。
……のだが、オリウスは、彼女の出身の宇宙国家・銀河連邦からあまりに離れすぎている。そのため、通信状況が悪く、高性能(2810年基準)の兵器を設計・製造できないのである。
よって、ラティーが召喚してくる兵器はWW1~WW2ごろの旧い戦車が中心となる。が、これが司令くんのミリオタ魂に火をつけた!
大好きな戦車がピカピカの新品の状態で戦っているという事実に、彼が興奮しないわけがない。よって戦場でなんども陶酔する司令くんだが、けっしてそれで足を引っ張ったりはしない。
彼は戦車隊に的確な指示を出し(隊員に指示にしたがえるほどの腕前があるとは言ってない)、勝利に貢献する。
が、聡明な読者(?)の方ならこう思われただろう。
そんなに戦車に詳しいのなら、司令くんが乗ればよいのでは?と。
しかし、それはできないのだ。理由は誰にもわからない。オリウスでは、ラティーが召喚した履帯のついた乗り物は、男性は操縦できないという謎の呪いがあったのだ。
ラティーが召喚するのは実在の戦車といえども、中身は2810年基準のものになっている。
操縦席も、司令くんが知るような従来のものではない。中には砂状の機械がつまっており、操者が脳内にイメージを思い描くことで内装が構築され、作動するというものであった。
不思議なことに、男性はいくらがんばってもこれを動かせないらしい。設計者のラティーですら原因不明というのだから、オリウスではそういうものなのだと無理やり納得するしかない。
司令くんはもちろん大ショックである。大好きな戦車が目の前にあるのに、操縦できないなんてまるで生殺しだろう。かわいそうに……。
で、私はその時、こう思った。
司令くんが女の子になればいいんだよ!
戦車の操縦が精神感応でおこなわれているのなら、男性だけが操縦できないのが物理的な理由とは思えない。
ラティーのバグという線も微妙に思える。
本体と通信できないとはいえ、彼女は超高性能なコンピュータだ。直せるかどうかはともかく、自分自身のバグに気づくことくらいはできそうなものである。
私は、オリウスの呪いは、何者かが精神感応を妨害しているのが原因だと考えている。何者かとは、おそらく怪獣かその元締めであろう。
操縦できないのが男性に限られる理由も、いくつか考えられる。
などの説が挙げられるだろう。
が、原因はべつにどうでもいいのだ。問題は、戦車の操縦が精神感応によっておこなわれるという点である。
精神感応を妨害されているのであれば、性別の判定は精神が基準になっているのではないだろうか。
つまり、
司令くんが女の子になればいいんだよ!
次回! 美少女戦車隊員たちに女の子にされちゃう司令くん! をやるために、またしんぐんサービス開始しようよ!
ゲームと小説の司令は別の概念じゃないかというツッコミはNG。
第2巻も近いうちに読む。