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【ショートショート】あなたは信じる?

少年と元犯罪者がいた。
どちらかが殺人を犯したとしたら、どちらを信じる?

殺人現場を目撃した。近くには少年が。少年は無実だと訴える。真犯人は別にいると。

学校や周りにこのことを言わないでくれと約束された。僕は信じた。

怪しいとされた元犯罪者が捕まった。が、殺人に関わる証拠は見つかってない。元犯罪者は一貫して無罪を主張するが、誰も信じてない。

その後見つかった防犯カメラに、犯人らしき映像が映っていた。自分だった。たまたま殺人現場に遭遇した、自分だけが映像として残っていたのだ。

偶然なのか、そこに少年の姿は映ってなかった。

少年はたまたま殺人現場を目撃したと警察に証言した。そして、自分が犯人だと。自分は連行された。

その後、面会で少年と話す機会を得る。
警察の人がやってきて怖くなったと。大丈夫。そのうち真犯人が見つかるよ、と説得される。

元犯罪者が首を吊った。疑われる自分の人生が辛くなったと。

真犯人が見つからない。証拠もない。
なのに警察にとって都合の良い証言ばかり得られる。決定打を得られないまま法廷へ。無実を訴えるが、なぜか実刑判決を受ける。

無実を信じて何年も待つ。その間、少年は手紙で励ましてくれた。大丈夫、大丈夫だよ、と。

数年後、刑期を終えて保釈された。
無実が証明される日は、来ることはなかった。

大人になった少年が迎えに来てくれた。彼は笑っていた。

行きつけのカフェでコーヒーを奢ってくれた。その時、彼は言った。

昔、自分のことが嫌いだったと。

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よしふる
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