ハイキュー!! × V. LEAGUEコラボイベントがとても良かった
「ハイキュー!!」の連載が終了して2年、本当に遅ればせながら、今めちゃくちゃにハマっている。
アニメを猛スピードで見終わった後、数々の連載開始10周年イベントに乗っかりたくて原作の続きも読破した。
その10周年イベントの一つが8/13.14に開催されたハイキュー!!× V. LEAGUE ALLSTAR SPECIAL MATCH "THE VOLLEYBALL" だった。
今回は8/14に開催された <DAY2> スペシャルマッチ をオンラインで観戦した。
感想、とても良かった。
私が言うまでもないかもしれないが、ハイキュー!!とバレーボールが好きな人にはぜひ今からでも見てほしいと思う。
※ここからの感想は、内容の関係で最終巻までの内容を含めた内容になっています。ご了承いただける方のみご覧ください。
大人になった彼らにまた会える
開演前の企業CM
開演前に、作中に登場する企業やコンテンツのCMが流れる。
まずはVリーグ編で日向、木兎、宮侑、佐久早が所属するブラックジャッカルのスポンサーである "ムスビイ" や影山・牛島・星海が所属するアドラーズのスポンサー "シュヴァイデン" を始めとする、Vリーガーとなった登場人物が所属するチームのスポンサー企業のCM。
さらにおにぎり宮、Lionceau、KODZUKEN、週刊少年ヴァーイ…なども。ちなみにメテオアタックは14巻まで発売されており、現在も連載中らしい。
プロになってバレーを続けている人、バレーではない道を選んだ人。青春時代をバレーと共に過ごした彼らの中でも道は分かれた。
でも武田先生が言っていたように、彼らの何も終わってはいない。みんなそれぞれ、どこかに新しい自分の場所を見つけて元気にしているのだという息遣いを感じられたようでとても嬉しかった。
そして道が分かれた彼らを今でもこうして繋いでいるのが "バレーボール" であり、イベントを企画した日本バレーボール協会の黒尾なわけである。改めて、原作漫画最終回で黒尾が「繋げ」の横断幕を背負って再登場する演出が本当にニクいと感じた。
成長しているけど、相変わらずな彼ら
続いて会場に流れるのは、大人になったみんなの声。
企画者・黒尾のアナウンスに、おにぎり宮買っておきましょうか?と宇内先生に聞く、相変わらず世話焼きな赤葦の電話。会場の旭さんに電話を掛ける大地さん・スガさんの声も宮城から届く。
さらに作中では接点のなかった及川と宮侑や、岩ちゃんと夜久&トラが会話をしていたりする。五色が素直に牛島を慕うようになっていたり、及川が日向を「ショーヨー」と呼ぶようになっていたりなど、バレーボールを通して生まれた新たな繋がりや高校時代とは変わった関係性を垣間見ることができた。
と思えば、影山のパワーカレーのCMにダメ出しをする及川 (この後侑にもダメ出しをくらっていた)、谷っちゃんが作ったポスターにどっちが「バーン!」とで載っているかで小競り合いをする日向と影山、声をかけてきた動画視聴者をごまかして逃げる研磨など、 "相変わらず" なみんなの会話にホッとする。
そっか、みんなそれぞれ仕事をしているし、成長しているし、大人になったけど、変わってないんだなあ。
久しぶりに会った地元の友達がしっかり大人になっていて少し驚いた直後、言葉を交わしてみると昔のまま変わっていなくて安心した時のような、そんな気分になった。
(読み終わってからまだ1か月も経ってないけど)
ハイキュー愛溢れるVリーガー達
ここからは、実際の試合に出たVリーガーについて。
とにかく彼らのハイキュー愛が溢れていた。
リアル山本猛虎・富松崇彰選手
遠目からでも目を引く金髪フサフサのモヒカンの選手がいた。
誰がどう見ても山本猛虎な、富松選手 (元東レ) である。
どこからどう見ても完全に山本猛虎なのだが、富松選手の出身高校は白鳥沢のモデルとなったバレーの強豪・東北高校なのだそうだ。さらにトラはアウトサイドヒッターだが、富松選手はミドルブロッカー。でも天童ではなく山本猛虎。
昨シーズン惜しまれつつ引退されたという富松選手は現在38歳。ベテラン選手がこのように率先してイベントを盛り上げている姿は実況席からも称賛されていた。試合中盤からはもう実況席も富松選手のことを「猛虎」と呼んでいた。
リアル宮兄弟・清水邦広選手&手原紳選手
宮侑が所属するチームA…ではなくチームBの方に、宮兄弟がいた。
オポジットの清水選手 (パナソニック) とセッターの手原選手 (東京GB) である。お二人とも、この試合に合わせて髪を色を明るくされたそうだ。
清水選手と手原選手は見た目だけでなくプレーでも宮兄弟を再現していた。1セット目中盤に清水選手がセットし、手原選手が速攻に入った。稲荷崎戦で宮兄弟が使った「双子速攻・裏」である。この試合の出場選手は事前に合わせる練習をほとんどしていないらしいのだが、試合中に即興でこういったプレーを再現できるあたり、プロの選手は本当にすごい。
ちなみに手原選手はサーブ前、侑のように歓声を手で制して止めるところまで再現していた。会場のお客さんたちもそれを見越してか「まずは盛り上げるところから」と言わんばかりに、手原選手のサーブの前は手拍子がより一層大きくなっていたような気がした。
山口一本ナイッサー!!
面白いのはコート内の選手だけではない。
ピンチサーバー・山口のサーブのターンで菅原をはじめとするベンチメンバーがやっていた「山口一本ナイッサー!!」のコミカルな動きを、ベンチの控え選手たちがサーバーに向けてやっていた。コートにいてもベンチにいても、ハイキュー愛が溢れる選手たちだった。
何度も巻き戻して見た、福澤さんの「ここがリアルハイキュー」解説
試合の解説は元パナソニックパンサーズで日本代表の福澤達哉さん。
福澤さんもかなりハイキューがお好きだそうで、試合中のプレーに対して「今のは白鳥沢戦で烏野がやっていた "トータルディフェンス" ですね」「ゲスブロックです、天童覚がやっていましたね」「音駒戦で翔陽が研磨にやられたヤツですね」など、これはハイキューのどのプレーかという解説を本当にたくさんされていた。
私が今回のイベントを多くのハイキューファンに見てほしいと思う理由の一つはこの解説である。
福澤さんの「これは何戦での誰のプレーか」解説が入ることによって、ハイキューで描かれるプレーがいかに実際のバレーボールの瞬間を切り取ったものであるのかをリアルに実感することができた。というかゲスブロックって世界中で天童しか使えないと思っていたけど、本当にあったのか。
選手とキャラが重なって、あの瞬間がよみがえる
リアル小さな巨人・山田滉太選手
今回のイベントで気になる選手を見つけてしまった。身長175cm・最高到達点335cmのアウトサイドヒッター、山田滉太選手 (大分三好) だ。
身長と最高到達点を見ても分かる通り、まさに「小さな巨人」。山田選手は試合前に「小さくてもVリーガーになれる、諦めないでと (子供たちに) 伝えたい」と話されていたそうだか、その言葉通り、試合ではリバウンドやブロックアウトを器用に決めたり、相手コートの空いているところに軟打をしたりと見事な得点っぷりだった。
小さな身体で高く跳び次々と点を決める姿は、福澤さんや実況の金澤アナにも「リアル翔陽」「小さな巨人」と評されていたが、まさに星海やVリーグ編の日向の姿が重なった。
大王様もアラン君もリエーフも
山田選手の他にも、選手にキャラクターが重なる瞬間がたくさんあった。
セットポイント近くの緊迫した状況でビッグサーバー・柳田将洋選手 (ジェイテクト) のサーブが回ってくる場面はまさに春高予選の青城戦での及川のサーブだったし、パワーと高さで圧倒するハバナ出身のアライン選手 (サントリー) は名前も似ているリアル尾白アラン。身長199cmの竹本裕太郎選手 (堺) のネットから「にゅっ」と手が伸びるブロックはリエーフのイメージが重なる。
これらは全て実況の金澤アナ、解説の福澤さん、担当編集の東さんの受け売りなのだが、このお三方のコメントが本当に素晴らしかった。「今のは誰々みたいですね」というコメントを聞くたびに選手にはキャラが重なって親近感を感じ、逆にキャラにはリアルな選手の動きが重なって今までより生き生きと感じられた。
これからもどこかで生きている彼ら
イベントは、古舘春一先生がこのイベントのために書き下ろした特別読切「祭り再び」のエピローグで幕を閉じる。
大人になったみんなが変わらず元気にしている姿を見られるだけでもう十分なのだが、特筆すべきは「及川の "取るに足らないプライド" に対する牛島からの賞賛」が遂に描かれた点ではないだろうか。
リアルタイムで追っていたファンの方にとっては特に「ようやくウシワカにギャフンと言わせることができたか、及川!」とアツかったことだろう。
連載終了して2年、今でもこうしてイベントが企画され、現在の彼らの姿を垣間見ることができるのはまさに「彼らの何も終わっていない」ことの証明のようである。
彼らはきっと今日も、世界のどこかで元気に生きており、物語はずっと続いていく。この作品に出会えたことを嬉しく思うと同時に、改めて「バレーボールは面白い」と感じることができたイベントであった。
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