23° giorno: 会社員、ついに買う
23日目。いよいよ最終週です。
(諸事情で更新が滞っていたので、2ヶ月前の記憶を遡って書いています)
最終週は午前授業でした。
この日のテーマは「雑誌の表紙デザイン」。
まずは講師の先生が表紙のイラストを担当した雑誌の説明を受けます。
印象的だったのがこちらビジネス誌の表紙。
敷居が高そう、難しそう、退屈そうと思われるビジネス誌の印象を少しでも緩和して読んでもらいやすくするため、あえてポップなテイストにしているそう。
「投資」や「保険」という金融関係のテーマを、お金を増やそうとするマジシャンで表現したイラスト。比喩がとても上手ですね。
こういった雑誌の表紙は、出版社やその他諸々の事情で急に短納期で依頼が来ることがあるそうです。
ガールフレンドと山でキャンプしている最中に依頼が来て、彼女が持っていたノートPCに急遽イラスト用のソフトをインストールしてそのPC1台のみで作業したこともあるとか。
私も何度、仕事で(私のせいではないにしろ)デザイナーさんに厳しい日程でお願いをせざるを得なかったことか…クリエイターの方が厳しい時間の中で戦われているのはイタリアでも変わらないようです。
というわけでこの日の実践は勿論「雑誌の表紙」。
先生が音楽好きなのでテーマは毎回音楽関係のものなのですが、この日のテーマはNIRVANAの故・Kurt Cobain氏。
今年は彼の没後30年ということで「30 years without Kurt(カートの没後30年間)」をテーマにRolling Stones誌を想定した表紙の作成に取り組みました。
この日もいつも組んでくれるスウェーデン人の生徒と作業しました。
アイデア出しの中で、私が提案したモチーフは「涅槃」。NIRVANA、つまり「涅槃」という言葉のイメージが「30years without Kurt」のイメージにつながることから、涅槃図を用いたデザインを提案しました。
いかにも仏教の国・日本人らしいアイデアを先生もパートナーも気に入ってくれ、このテーマで作業開始。
ロゴデザインは私、全体グラフィックはパートナーと分担して作業を進めます。完成したグラフィックがこちら。
ロゴのこだわりはwithoutを2段組にしたところです。一瞬で作れそうな単純なロゴに見えるかも知れませんが、フォントや文字の配置など、何パターンも試した末の最終案でした。
全体レイアウトはパートナーの作成ですが、素晴らしくないですか、このアイデア。
Kurt自身の写真を使わずに涅槃図のみを大胆に使う斬新さ、そして全体を青みがけてクールな印象に変え、それに合う青で帯をつけてCDジャケットのように見せるセンス。
大胆にも涅槃図の色味を変えるアイデアは、仏教画を見慣れていないスウェーデン人だからこその発想かも知れません。
日本人の私が涅槃図の発想に至り、スウェーデン人のパートナーが洋風に仕上げるという、図らずしも私たちのお国柄を活かした作品になりました。先生も「super tricky idea」と絶賛です。
いつもより少し調子の良かった授業の後は、少し緊張しながらミラノの郊外に向かいます。緊張の理由はこちら。
このお店、正真正銘MARNIの正規店なのですが「本当にここ?」というようなミラノ郊外の住宅地に突然現れます。
外観も「本当にこれ!?」と心配になりますが、本物なので安心して入ってください。
このアウトレットストアは値下げ幅があり得ないとの前評判でしたが、ありえないのスケールが一段違いました。
元々の値下げ幅が50%以上なのに加え、夏のセールが重なってほぼ全ての商品が60%または70%オフ。
定価10万円ほどのパンツが3万円ですよ。
いや、買うでしょこれは!!
値札を見て一瞬で脳がお買い物モードに切り替わります。昔からやたらと思い切りが良い性格です。
狙うはやっぱり出番が多くて長く使えそうなバッグ。
色も形も個性的で可愛く、いつか欲しいと思いつつもまだ購入に踏み切れていなかったMARNIのバッグ。
店員さんと話しながら1時間以上悩んだでしょうか。こちらのバッグに決めました。
レジで値札を切られてしまったので正確な値段は分かりませんが、その場で円換算すると定価が30万円ほどだったこちらのtrunk。
アウトレット価格にセール、さらに免税まで加わって10万円を切りました!!
ミラノに行かれた際はぜひ!!おすすめです!!
大満足のお買い物が終わった後は、ATMのM4線に乗ってTricolore駅へ向かいます。
Tricolore駅からは歩いてDuomoに向かいます。
さて、わざわざDuomoまで戻ってきたのにはもちろん理由があります。
Duomoを見るたびに気になったお店、それは…
隣のカップルに運ばれてきた、各種2個ずつのボリューミーなおつまみを「あれ2人分かな〜」と横目に見ていたら、なんと私にも同じ量が運ばれてきてとってもハッピー。
もちろん場所が場所なので良いお値段しましたが(€20)、このおつまみは私がイタリアで食べたアペリティーボの中でも屈指の美味しさだった上、眺めが最高なので納得のお値段でした。
大好きなアペロールスプリッツを楽しんだ後は、MARNIを持っているため明るいうちに帰宅。
帰宅後、たまにはゆっくりしようとテレビを点けると…
さすがサッカー大国のイタリアです。
翼の名前はイタリア語でも「Tsubasa」のままでした。
ずっと欲しかったベーシックな良いバッグを買えて、大好きなお酒を楽しめた最高の1日でした。
それではまた。
Buona notte!