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310_教員が楽になる探究学習!外部人材と地域連携で持続可能な仕組みを構築

人生に感謝を。シンパクト和 です。
総合的な探究の時間のあり方の考察を述べます。


はじめに:未来を探究する時間の価値

未来が予測困難な時代、教育の役割は大きく変わりつつあります。AIの台頭や地球規模の課題が次々と現れる中で、高校教育の枠を超えた新しい学びが求められています。その中で、「総合的な探究の時間」は、生徒が問いを立て、行動し、未来を切り拓く力を育てる場として重要な役割を果たします。

私が考える探究の時間は、単なる授業ではなく、「生徒・教員・地域・外部人材が協働で未来を探究し、持続可能な学びを創る時間」です。この記事では、そのビジョンと実現のための具体的な構想をお伝えします。
個人的に一番大事なことは担当する教員の負担にならない仕組みの構築と担当者が変わっても継続していく体制作りだと考えています。


背景と課題:探究の時間に期待されるもの

「総合的な探究の時間」が導入された背景には、急速に変化する社会に対応する力を育む必要性があります。しかし、現場では次のような課題が挙げられます:
• 教員の負担が大きい:準備や進行が担当教員任せになりがち。
• 生徒の主体性の不足:生徒が受動的に参加し、本質的な探究活動に至らない。
• 地域との連携不足:外部の専門家や地域課題の活用が十分でない。

これらの課題を解決するには、探究活動を包括的にデザインし、有機的に進める仕組みが必要です。


私が考える「探究の時間」のビジョン

探究の時間を効果的に活用するために、以下のビジョンを掲げています:
• 生徒主体:生徒が問いを立て、行動し、主体的に学びを深める。
• 教員負担の軽減:教員は伴走者として生徒を支え、外部人材や地域を活用。教員だけでがんばろうとしない発想への転換。
• 地域との連携:地域課題や専門家との連携で実社会に根差した学びを提供。
• 継続性と発展性:カリキュラムの標準化と仕組み化で持続可能な学びを実現。


提案する10の要素

高校「総合的な探究の時間」を成功させるためには、以下の10要素が重要です:

  1. ビジョンの共有
    探究の時間は「未来を探究し、持続可能な学びを創る時間」であることを全員で共有。

  2. 探究の段階設計
    o 1年次:問いを立てる力と基礎スキルを学ぶ。生成AIを有効活用して自分で問いを深められる力を育む。
    o 2年次:地域や社会の課題に取り組む。外部人材、教師とのディスカッション、生成AIによる自己の思考の拡張を通して自分ごとの課題に取り組む。
    o 3年次:探究成果をまとめて、noteで社会に発信。

  3. 教員の役割の再定義
    教員は「指導者」ではなく「伴走者」として、外部講師や地域コーディネーターと連携。

  4. 地域協働モデル
    地域課題を提供し、生徒が自分ごとの問題に取り組む仕組みを構築。

  5. 外部人材ネットワークの整備
    専門家や大学研究者との連携で生徒の多様な探究テーマに対応。

  6. プロセス重視の評価
    成果ではなく、問いを立て行動する過程を重視。評価は、自己評価や友人からの評価で良い。何かをやりきったという達成感を大事に。

  7. 成果発表と共有
    生徒が探究成果を発信する機会を複数回設ける。例:1・2年での4人一組での座談会形式の発表、複数の代表者によるブースを分けての全体への発表など。

  8. リソースのデータベース化
    探究テーマや連携先の情報を学年ごとにTeamsで共有する。おなじチームを3年間継続使用する。他学年のチームも参考にできる体制に。

  9. 通常授業との連携
    探究学習で活用できる知識を通常授業で提供。探究テーマとの関連性を明示。

  10. 持続可能な仕組みの構築
    Teamsを活用したデータベース化、外部人材との容易な連携方法の構築、手順を可能な限り手短にまとめたマニュアル化を行い、担当教員の異動にも対応可能な体制を整備。

実践例:探究活動のイメージ

例えば、地域課題をテーマにしたプロジェクトでは、以下のような成果が期待されます:
• 地域経済コース: 地元商店街の活性化策を企画し、地域住民と議論。
• 医療看護コース: 地域の高齢化問題をテーマに、医療施設との連携で解決案を提案。
• 理工学コース: 地域の環境問題(例:ごみ処理の効率化)に科学的な視点から取り組む。
これらの活動を通じて、生徒は主体性と社会的責任感を育むだけでなく、実践的なスキルを身につけます。


課題と未来への展望

探究の時間を発展させるには、以下の課題に取り組む必要があります:
• 教員の意識改革:伴走者としての新しい役割に慣れる必要性。
• 予算やリソースの確保:外部連携や教材開発に必要な資金の調達。
• 外部人材の持続的確保:専門家や地域人材の関与を長期的に維持。
未来への展望として、探究学習を全国的にnoteによる情報発信や、ICTを活用したオンライン連携も有効です。


おわりに

「総合的な探究の時間」は、生徒だけでなく教員や地域社会にとっても、未来を考える貴重な時間です。私たちの小さな問いや行動が、やがて大きな変化を生み出します。
あなたの学校ではどのような探究が行われていますか?未来を探究する学びを育てていきましょう!

この記事では、本校で現在進行中の「総合的な探究の時間」のビジョンと構想をお伝えしました。探究活動が生徒だけでなく、教員、地域、外部人材の学び合いと成長を促す場になることを目指しています。あなたの学校で取り入れられるアイデアがあれば、ぜひ参考にしてください。

人生の限りある時間を大切に、自分のやりたいことを実現したい。
シンパクト和 でした。

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