
【モネ展】『モネ 睡蓮のとき』鑑賞 モネの苦悩と魅力
2025.2.6
先日、国立西洋美術館で開催中のモネ展へ🖼️
土日は人が多そうだから行くなら平日だと思っていたけど、有休が取れるか微妙なところだった。なんとか休めてよかった🥹
上野自体初めて行ったので、上野駅の公園口を出たとき、広々とした駅前広場に驚いた。確かまっすぐ行くと上野動物園があるが、その道が広いこと広いこと。さすが日本を代表する動物園への道だと感心した。
その道の右手側に国立西洋美術館はあった。
『モネ 睡蓮のとき』と看板が出ており、胸が高鳴る。

今回チケットは事前にネットで購入していた。
2月分のチケットは日時ごとに制限人数が設けられることになったようで、「事前に調べようとした俺ファインプレー🥹」と自画自賛。
それでも入り口前にはチケット購入済みの人の入場待ちで長蛇の列ができており、事前購入してもこの列!?と驚いた。それでも十数分ほどで列が進め始め、すんなり入れたので良かった。
思わず持参していた文庫本を開いて本の世界に入り込むところだったよ。(すでに本開いてた)
初めて音声ガイドのレコーダーを借りてみた。せっかくきたのだ、モネの作品のことをよく知りたい、背景を知ったうえで観たいと思った。
しかもナビゲーターが石田ゆり子さんということで、耳で癒されながら観るのもありかと。(なんやそれ)
結果、モネの世界に没入させられた。
どの作品も観れば観るほど引き込まれるものばかり。一つ一つの作品を長い時間をかけて観ていった。



モネが描く作品には想像力で補うものもあったが、多くはモネ自身が見たままの風景が描かれている。
モネは71歳で白内障を患い、衰え続ける視力の中で絵を描き続けた。
しかし、10年後には左目の視力は0.1、右目はわずかに光と動きを感知するだけにまでなったそう。
(参照元:メゾン・デ・ミュゼ・モンド
『モネ:印象主義者の眼』 https://www.mmm-ginza.org/guidance/b1f_info/recommend/backnumber/0902/recommend.html)
視力の衰えはモネの精神を蝕み、作品にも変化をもたらす。観たままを描くモネの作品は、徐々に原型を失っていき、色も形も現実とは大きく異なるものが多くなっていく。これは連作で描かれた作品でわかりやすく表れている。
「視力を失っていく自分に、絵を描く資格があるのか…」
どれだけもどかしかっただろう。苦しかっただろう。作品を通してモネの体調と精神の移り変わりを見ているように感じられた。
しかし、そんな状態で描いた作品も一つの芸術性を放っていた。どれもが満足のいく、完璧な出来の作品であったなら、モネは単純に天才画家というだけだったかもしれない。
皮肉にも、戦争や視力の衰えが、モネという画家やその作品をより感慨深く、魅力的な意味を持つ存在にさせたのではなかろうか。
そんなふうに、その絵画が描かれた背景を感じながら観ることの楽しみを教えてくれたのは、原田マハさんだ。
今回のモネ展に行きたいと思ったのも、原田マハさんの著書『ジヴェルニーの食卓』を読んだから。
フィクション作品ではあるのだが、実際のモネの経歴と合うように構成されたストーリーは、その頃描かれた作品に意味を持たせてくれる。
原田マハさんの小説はそんな素晴らしい目を僕たちに与えてくれる。

これからもどんどん原田マハさんの本を読み、そこに登場した画家たちの展示会はもちろんのこと、そうでないものも画家たちの人生を反芻しながら美術館に足を運びたい。
とりあえず上野の他の美術館や博物館に行ってみたいな🌱