金融市場と実体経済の乖離:前編(2020年5月7日)
今週(2020年5月9日号)のLeaders記事は、米国での金融市場と実体経済の乖離を指摘しています。米国では政府の財政出動のおかげもあって株式市場はわりと持ちこたえているけれど、それはごく限られた一部の大企業の株価好調に支えられての話であって、この先も今の市場ムードが続くとは限りませんよ、という警告のようです。今日は前半部分を共有します。
英語原文は、以下からどうぞ:
以下、マイバージョン和訳です:
金融市場vs.実体経済:市場と経済がかけ離れた現状は続かない
2020年5月7日
株式市場の歴史はドラマに満ちている。1929年の暴落、1日で株価が20%下落した1987年のブラックマンデー、1999年のドットコム騒動など、錚々たる前例があるのだから、何も驚くことはないはずだ。それでも、この8週間の株価の動きは注目に値する。米国市場では株価が急落した後に、今度は急伸した。2月19日から3月23日までの間にS&P500指数は3分の2に落ち込んだが、その後はほぼ続伸し、損失の半分以上を回復した。連邦準備制度理事会(FRB)が社債購入によって大企業の債務を支援するというニュースをきっかけに、投資家心理はパニックから一気に楽観に転じた。
しかし、ウォールストリートのこのバラ色の展望には不安がある。まず、他の市場とは対照的であることだ。例えば、英国や大陸ヨーロッパの株式市場の回復の足取りは重い。そして、メインストリートつまり実体経済とかけ離れていることだ。米国でのロックダウンは緩和されているとはいえ、雇用に甚大な影響を与え、失業率は4%から約16%に上昇、1948年に統計が始まって以来の高水準にある。大企業は株価が高騰し、FRBの支援を受ける一方で、中小企業は政府の資金援助を得るのに苦労している。
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