そして心から幸福になりなさい~『Travis Japan -The untold story of LA-』と井上陽水「海へ来なさい」~
ワールドツアー、2会場目となる香港入りしたTravis Japan。
早速、地元メディア会見の模様がYouTubeにアップされていた。
この動画が出されて、今回のワールドツアーでの「全編録画OK」に対する宮近くんの受け答えが素晴らしかった、との声が多く見られた。
しっかり相手の言葉を聞き、考えながら答える姿は誠実そのもの。
回答としては、それぞれの国の楽しみ方があるなか、トラジャを知らない人も楽しむために、あえて『禁止という日本のルール』を設けていない、というような内容だった。
もちろん、海外での拡散を狙っているのは織り込み済み。
ただ、そもそも禁止の理由が「ペンライトを振ったり、会場の一体感を大事にしたい、観客と一緒に作品作りをしているから」と言う内容だったので、禁止でなくとも「観客と一緒に作品作りをしている」ことは変わらないので、本当はスマホを置いて楽しんで欲しいんだろうなとは思う。
いつか海外で、みんながスマホを置いて踊ったり、手を振ってくれるようになるといいね、と思ったのだった。
そしてこの「さすがリーダー!」「さすがちゃかちゃん!」という賞賛の声のなか、私は一つ思い出したことがある。
日本での活動を一旦すべてリセットし、アメリカへ武者修行として留学をした彼らのドキュメンタリー作品『Travis Japan -The untold story of LA-』。
このために録りおろされたインタビューに、SNSやYouTubeに出された映像を付け足し、BGMも極力抑えられたいたってシンプルで静かなドキュメンタリー作品。
この作品は、7人がそれぞれインタビューに答えているのだが、宮近くんは後半まで出てこない。
その構成がいい。
この作品が発売された時、インスタに感想を投稿したので、ワールドツアーが始まった今、ここでもう一度noteに投稿しておく。
『Travis Japan -The untold story of LA-』
2023年4月3日
昨年、日本での活動を一旦すべてリセットし、アメリカへ武者修行として留学をした彼らがその日々を振り返ったドキュメンタリーが発売になった。
この作品の情報が発表されると、この留学はここまでの結果含め、すべてお膳立てされたものだという声があがった。
作品を見れば分かるけれど、彼らの経験したことや辿った道、それによって手にしたことは、彼ら自身で選び取り、掴み取ったものだ。
もし仮に、その人たちが言うように誰かにお膳立てされたものだとしても、静かに語られるその言葉には、生身の彼らが無傷ではいられなかったのがよくわかる。
アメリカの人気オーディション番組『America's Got Talent』に出演した際、セミファイナルに進出できず、ストレートなジャッジを受けた。
その時の映像の、審査員たちの少し戸惑ったような、期待通りではなかった表情が印象に残っている。
ビルボード誌のインタビューの文字が映される。
《「僕たちジャニーズのタレントは、アイドルのイメージを損なうことが決してないよう事務所の努力によって保護されている感覚があります。」
と川島は語った。》
そしてこのインタビューにこう答えている。
「初めてあんなちゃんとはっきり《ダメ》って言われたんですよ。」
「ここからは傷ついてでも自分たちを成長させなきゃいけない。そういうステージに来たんだ、って認識でした。」(川島)
それぞれが10代の頃から見続けた夢、突きつけられる現実。
そしてグループとして自分たちの未来を模索する姿。
地道にレッスンに励み、語学学校に通う日々。
心身ともに疲弊し、休養を余儀なくされた吉澤閑也。
(彼の苦悩はまた別の物語を持っていて、今後の彼にも注目していきたい。)
それはアイドルの素顔というよりもっとずっとパーソナルなもので、むしろ普遍的な、夢を追う若者の姿だった。
互いにぶつかり合い、思い遣り合い、一人の人間として夢をかなえるために傷ついて、成長していく。
そのほんの一部、わずか数か月を切り取ったに過ぎないけれど、いつか彼らが人生を振り返ったとき、色濃く思い出されるだろう日々。
メンバーが揺れ動く毎日を語るなか、インタビューの終盤まで、リーダー・宮近海斗は出てこない。
メンバーの誰もが、あいつはすごいと、かっこいいと語るリーダー。
いったい彼が何を考えているのか、自然とそこに興味がいく。
リーダーとしての立ち方について質問されると、飄々と、穏やかにこう言う。
「話をきいて、整理してるって感じで。」
個人のエゴはどこにあるかと問われれば、
「Travis Japanがこうあって欲しいってエゴはめっちゃ言いますね。」
「俺がステージに立ってるって想像したら、絶対7人立ってますよ。目を閉じて想像してくださいって言われたら、7人のステージに立っちゃうんで。」
彼がTravis Japanというものに向ける視線は、とてもクールなようにも思えるし、どこまでも優しいものにも感じる。
その両方をもっているからこそ、リーダーにふさわしい人物なんじゃないだろうか。
そしてこれからのTravis Japanはどこへ向かい、何を選び取っていくのか、ヒントのようなものを感じる言葉があった。
「ただの仕事仲間になっていったら、Travis Japanが支持される理由がなくなる。ただ仕事で集められた関係なら、Travis Japanでなくてもできる。経験を共有し、自分たちでカラーを生み出さないと、Travis Japanのカラーにならない。自分たちのカラーは、提示されるものじゃない。」(宮近)
つまり、私たちの好きなTravis Japanは、これからも7人の手によってTravis Japanであり続ける。
そのことだけは、きっと間違いない。
《2022年10月28日 全世界配信デビュー》
その文字を何度も見直し、笑い、涙を流すその姿に、とてもあたたかな気持ちになれた。
世界中から愛されるグループになりますように。
あなたたちなら、きっとなれる。
そして、ずっと支えてきたファンの方々にも拍手したい。
それから、DISC2には2種類あって、それぞれ違ったライブ映像が収録されているので、こちらも両方必見と付け加えておく。
残念ながら受注終了となってしまったが、もうひとつ、FC限定盤には彼らが暮らしたシェアハウス(通称トラジャハウス)の様子を再現したドラマが入っていて、これがゆるくて、笑えて、彼ららしさがあってとてもよかった。
昔の「やっぱり猫が好き」を思い出しながら見た。
これ、どこか深夜にやりません?
企画書書きます!
Spotifyで音楽を探していたら、おおはた雄一がカバーした井上陽水の「海へ来なさい」をみつけて、聴いていた。
この曲は、井上陽水が娘にあてて書いたものだという。
以前SONGSで久保田利伸もカバーしていたので、聴いたことがある人もいるかも知れない。
おおはた雄一はアコースティックギター1本でカバーしているので、本家とはだいぶ違って聴こえるが、それはそれで響いた。
この歌詞が、とてもいい。
今回のnoteのタイトルにもピッタリだと思い、引用した。
ここには、おおはた雄一のカバーを。
この曲を、7人に送りたい。
アイドルという職業にすべてを捧げていても、それぞれが一人の人間であるといつも教えてくれるトラジャ。
香港でのメディア会見、お疲れさまでした。
どうか、そこから1歩離れたら心を緩めてください。
自分の言葉に、縛られないでください。
健やかな、心からの笑顔にあえる時を、ちゃんと待っています。
それぞれに支え合い、見守る7人でいて欲しい。
私たちファンも、いつもそばにいます。