全権委任でないところの戦い方
何度かここに書きましたが、まえの部門は最前線の激戦地の現場指揮官のようなもので、毎日、部下の体調を直接管理し、業務の進捗を確認し、トラブルが発生すれば乗り出して事態収拾に動き、同盟関係にある勢力の本拠地や、時には敵方の本陣に乗り込んで直接交渉も行ってきました。
もちろん、組織人として、組織の方針に従って動く、ここはゲームをするうえでの暗黙のルールなので、これは守りつつも、あとの手法とか、どこまで相手に手の内を見せるか、といったことは、現場指揮官である僕に任されており、
相手が寄り添い甲斐のある人であれば、僕も手の内を明かすし、信頼が上滑りする相手には、基本余計なものは渡さない、このへんは、僕個人との関係性において、コントロールしていました。
今度の部門は、後方勤務本部的な役回りのため、その長たる自分は、かなりの部分、与えられた情報と資料の範囲内で対応する、こうした場面が結構あります。
ただ、対外的な折衝の場において、事前に用意した資料というのは、自分の頭の中を整理するのには使えますが、臨機応変の対応には、案外使えないものです。
前の部門であれば、資料から外れても、僕なりの知見で打ち返し、個人的な意見と前置きしつつ、ロードマップを示したりして、その場の状況を打開、改善するために、あらゆる手を使ったものですが、今は手足縛られて応答しているので、いつも消化不良な気持ちになります。
とはいえ、後方勤務部門は、あくまでも取りまとめと、対外的に総括説明をする立場であり、説明する中身は理解していても、責任は他の部門にあるため、余計なことを言うと、無責任な発言で担当部門に迷惑をかけてしまうことになります。
僕は自在に切り回すことで、一定のパフォーマンスを挙げてきたという自負があり、自分の色を消して、お仕着せの役回りを演じることは、いまだに慣れていません。
もちろん、後方勤務業務にも、内部統制や業務変革において、主導的に物事を決めていく部門はそれなりにあり、これまでは、システム部門との押し付け合いで、進んでいなかった事案がいくつもあるため、このへんは、僕が引き取り、モノを動かしていくことで、僕なりの色を出していきますが、操り人形的な役回りは、色を消し、たまーにやってくる「出番」で出遅れないようにする。
自分の頭の中で、押すところと守るところを整理して、7月ぐらいまでには、その先、安定走行できるよう、この立ち位置での「勝てるフォーム」を確立したいと思います。